玄米に含まれるたんぱく質量は多いのか?白米やその他の食品との比較について解説

玄米

健康食品として有名な玄米ですが、含まれるたんぱく質量は多いのでしょうか?ダイエットや筋トレには欠かせないたんぱく質。主食からもたんぱく質を補給できるなら嬉しいですよね。こちらの記事では、玄米に含まれるたんぱく質量と白米やその他の食品との比較について解説しています。

 

玄米に含まれるたんぱく質量

玄米

栄養食としても期待される玄米ですが、実際にはどれくらいのたんぱく質量が含まれているのでしょうか。玄米100gあたりに含まれるタンパク質を紹介しながら、またその他にどのような栄養素を含んでいるのかも解説します。

 

玄米に含まれるたんぱく質量は6.8g

文部科学省が発行している日本標準成分表2020年版によると、玄米には100gあたり6.8gのたんぱく質が含まれています。6.8gと聞くと、多いのか少ないのかわかりにくいかもしれません。後ほど他の炭水化物食品との比較も解説しますが、主食としては比較的多く含まれています。

 

玄米に含まれるその他の栄養素

玄米はたんぱく質以外にも多くの栄養素を含んでいます。他にはどのような栄養素を含んでいるかも確認してみましょう。

  玄米
エネルギー(kcal) 346
たんぱく質(g) 6.8
脂質(g) 2.7
炭水化物(g) 74.3
ナトリウム(mg) 1
カリウム(mg) 230
カルシウム(mg) 9
マグネシウム(mg) 110
リン(mg) 290
鉄(mg) 2.1
亜鉛(mg) 1.8
銅(mg) 0.27
マンガン(mg) 2.06
セレン(μg) 3
ビタミンE(mg) 1.4
ビタミンB1(mg) 0.41
ビタミンB2(mg) 0.04
ナイアシン当量(mg) 8.0
ビタミンB6(mg) 0.45
葉酸(μg) 27
パントテン酸(mg) 1.37
ビオチン(μg) 6.0
食物繊維(g) 3.0

 (100gあたり)
日本食品標準成分表2020年版より

三大栄養素の糖質、脂質、たんぱく質以外にもビタミン類やミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。さまざまな栄養素を豊富に含んでいることから、玄米は健康食品として食べられています。

 

たんぱく質を摂るメリットとは

腹部

ダイエットや筋トレ、健康のためにはたんぱく質をしっかりと摂ることが重要視されていますが、たんぱく質を摂るメリットは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

  1. 筋肉量の低下を防ぐ
  2. 体内時計を整える
  3. 睡眠の質を向上する

上述した主なメリット3つについて、詳細を確認していきましょう。

 

1.筋肉量の低下を防ぐ

ます、1つ目の大きなメリットは筋肉量の低下を防ぐことがあげられます。たんぱく質はわたしたちのからだの筋肉や血のもととなる栄養素です。筋肉は常に分解と合成を繰り返しています。そのため、たんぱく質が不足してしまうと筋肉量の低下が起こり、基礎代謝の低下、疲れやすさなどを引き起こしてしまいます。また、1日に必要なエネルギーを十分に摂取できていない場合も、筋肉を分解してエネルギーを作ろうとするため、同様に筋肉量の低下が起こりやすくなります。たんぱく質とともに、エネルギーもしっかりと摂ることが重要です。

 

2.体内時計を整える

2つ目のメリットは、体内時計を整えることです。体内時計は睡眠や体温、ホルモンの分泌などさまざまな生理機能に関わります。主な体内時計は脳で、朝の光でリセットされて24時間周期を保ちます。肝臓や腎臓などでは、朝食を摂ることでリセットされます。たんぱく質が多い食事では成長ホルモンを分泌させて、肝臓や腎臓などの体内時計をリセットさせることが知られています。たんぱく質が多い食事を朝食に食べることは体内時計を整えて、からだの不調の改善や将来の病気のリスク低下につながります。

 

3.睡眠の質を向上する

3つ目のメリットは、睡眠の質を向上することです。たんぱく質の構成要素であるアミノ酸の中には睡眠の質を向上させる研究報告があるものがあります。睡眠の持続時間を高めたり、夜間の覚醒時間を短縮、翌朝の眠気を改善したりと睡眠の質を高めるとされています。たんぱく質をしっかりと摂取することで、睡眠の質を向上し、日々の仕事やさまざまな活動のパフォーマンスの向上、体調の改善が期待されます。

 

たんぱく質が不足した場合のリスクとは

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健康において重要であるたんぱく質ですが、不足した場合はどのようなリスクがあるのでしょうか。主なリスクとしては、以下が挙げられます。

  1. 筋肉量の低下
  2. 肌や髪へのダメージ
  3. ホルモンバランスが崩れる可能性
  4. 成長障害に繋がる可能性 

 上述したリスクについて、詳細を確認していきましょう。

 

1.筋肉量の低下

筋肉の生合成のためにはたんぱく質の摂取が重要であることは先ほど解説しました。たんぱく質が不足すると、筋肉を作るもとが足りないので筋肉の分解が合成を上回り、筋肉量の低下を引き起こします。筋肉量の低下は基礎代謝の低下、疲れやすさ、骨折、運動機能の低下、内臓脂肪の増加、生活習慣病のリスクなどさまざまな障害を引き起こしやすくなります。たんぱく質が不足しないようにすることは、健康の維持に繋がります。

 

2.肌や髪へのダメージ

たんぱく質が不足した場合、生命維持に関わる臓器を優先的に維持できるようにされるので、肌や髪、爪などの末端の臓器は後回しにされてしまいます。肌の弾力やツヤを維持するためにはコラーゲンが重要です。コラーゲンはたんぱく質からできているため、たんぱく質が不足するとコラーゲンが減少し弾力が失われてしまいます。コラーゲンと同様に重要なエラスチンの働きも悪くなり、しわやたるみに繋がりやすくなります。また、髪はケラチンというたんぱく質を主な主成分として構成されています。たんぱく質が不足すると、枝毛や切れ毛の原因にもつながります。

 

3.ホルモンバランスが崩れる可能性

たんぱく質は、からだをきちんと機能させるために必要なホルモンの材料でもあります。たんぱく質が不足するとホルモンを作れなかったり、うまく働かせられなくなったりし、ホルモンバランスが崩れる可能性があります。ホルモンは体温の調節や集中力、妊娠などさまざまなからだの機能に関わるため、ホルモンバランスの乱れにより種々の不調が起こりやすくなります。

 

4.成長障害に繋がる可能性

たんぱく質、特に必須アミノ酸は成長に重要とされており、たんぱく質不足による成長障害の報告がいくつかあります。個人差があるので、たんぱく質が不足するから必ず成長障害が起こるというわけではありませんが、成長ホルモンをつくるためにたんぱく質は必要な栄養素であるため、不足すると成長障害につながる可能性があります。極力不足しないように気を付ける方がよいでしょう。

 

たんぱく質を過剰摂取した場合のリスク

CHECK

たんぱく質が不足した場合のリスクについていくつか解説しました。では、反対に過剰摂取した場合はどのようなリスクがあるのかも確認しておきましょう。たんぱく質過剰症の報告はありませんが、過剰摂取した場合、下記のようなリスクが考えられます。

  1. 腎臓への負担がかかる
  2. 動脈硬化に繋がる可能性

それぞれのリスクの詳細についても確認していきましょう。

 

1.腎臓への負担がかかる

たんぱく質はからだの中でさまざまな臓器の栄養となる過程で老廃物が出てきます。その老廃物を体外へ排泄するためにろ過する役割が腎臓にはあります。そのため、たんぱく質を過剰に摂取すると、たくさんの老廃物を処理しなければならないので腎臓に負担がかかりやすくなるとされています。たんぱく質を過剰に摂取することで必ず腎臓に影響が出るわけではありませんが、たんぱく質を過剰に摂取している場合は、定期健診の検査結果を注視しておいた方が良いでしょう。

 

2.動脈硬化に繋がる可能性

たんぱく質は動物性の食品に多く含まれています。そのため、たんぱく質を意図的に多く摂っている場合は必然的に動物性の脂質も多く摂ってしまう傾向があります。脂質の摂りすぎは血管が硬くなりやすく、動脈効果に繋がる可能性があります。また、たんぱく質の過剰摂取は、動脈硬化だけでなく糖尿病発症リスクの増加、心血管疾患の増加、がんの発症率の増加なども報告されているため、必要以上にたんぱく質を摂取することは避けた方が良いでしょう。

 

玄米とその他の食品に含まれるたんぱく質量の比較

玄米

ここまで、主にたんぱく質の概要に加えて、メリットやリスクの観点について解説をしてきました。玄米に含まれるたんぱく質量は100gあたり6.8gということでしたが、多いのか少ないのかわかりにくいかもしれません。他の食品に含まれるたんぱく質量も一緒に確認してみましょう。

 

白米と比較した場合

日本人の主食として最も一般的な白米では、100gあたりたんぱく質が6.1g含まれています。玄米は白米よりやや多く、たんぱく質が含まれています。

 

一般的な主食と比較した場合

他の主食と比較した場合はどうでしょうか?代表的な炭水化物食品と比較してみましょう。

  • 玄米(めし):2.8g
  • 白米(めし):2.5g
  • 食パン:8.9g
  • フランスパン:9.4g
  • 全粒粉パン:7.9g
  • うどん(ゆで):2.6g
  • 中華麺(ゆで):4.9g
  • そうめん(ゆで):3.5g
  • スパゲティ(ゆで):5.8g
  • もち:4.0g

 (100gあたり)
日本食品標準成分表2020年版より

玄米は特別たんぱく質が多い主食というわけではありませんが、カロリーや糖質、脂質といった摂取を控えたい栄養素や食物繊維、ビタミンなどの摂取したい栄養素を合わせて考えるとコスパ良くたんぱく質も摂取できる主食です。

 

たんぱく質が多い食品

食品全体で見た場合、どのような食品にたんぱく質が多く含まれているのかも確認しておきましょう。

たんぱく質量

第2回「たんぱく質」って、何だろう?|株式会社明治

https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/know/know_milk/02/num01_02.html

 たんぱく質は鶏肉や豚肉などの動物性食品、卵、魚、大豆製品、乳製品に多く含まれています。普段の食事に当てはめると、主菜に当たるものに多く含まれていることがわかります。

 

玄米が健康におすすめの理由とは

美容

玄米は、たんぱく質と他の栄養素を合わせると相対的にバランスよく摂取できる食品です。具体的にどのような理由から健康に良いとされているのでしょうか。主な理由として以下の5つが挙げられます。

  1. 低GI食品なので血糖値が上がりにくい
  2. 食物繊維を多く含むので腸内環境が改善される
  3. からだに必要な栄養素を多く含む
  4. 様々な病気のリスク低下が期待される
  5. 精神の健康に良い影響を与える 

それぞれの詳細について確認していきましょう。

 

1.低GI食品なので血糖値が上がりにくい

GIとはGlycemic  Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後の血糖値の上昇を示す指標のことです。食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖の量を測って指標にしています。血糖値の上昇が急激なものほどGI値が高く、緩やかなものほど低くなります。GI値が70以上のものを高GI食品、56~69のものを中GI食品、55以下のものを低GI食品と定義されています。白米のGI値は88で高GI食品、玄米は55で低GI食品となり、血糖値が上がりにくいため健康に良いとされています。

 

2.食物繊維を多く含むので腸内環境が改善される

玄米には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は大腸で腸内細菌のエサとなり、善玉の腸内細菌を増やすため、腸内環境がよくなります。腸内環境が改善することによる効果は多岐にわたり、長期的にみると2型糖尿病や心疾患、がんなど様々な病気の予防に繋がります。また、比較的短期的な効果としては肌質の改善など、女性に嬉しい効果も得られます。

 

3.からだに必要な栄養素を多く含む

玄米は食物繊維以外にもビタミン、ミネラル、鉄分などからだに必要な栄養素を多く含んでいます。ビタミンは特に栄養素の代謝に必要なビタミンB群を含んでおり、バランスよく栄養素を摂取できることも玄米の魅力です。

 

4.様々な病気のリスク低下が期待される

低GI食品であること、食物繊維を多く含むことから、肥満の改善や2型糖尿病、心疾患、がんなどの生活習慣病気のリスクを下げることも期待されています。

 

5.精神の健康に良い影響を与える

玄米の油分には「γ-オリザノール」という成分が含まれており、脳内ストレスを減らす役割があることが注目されています。脳内ストレスというのは、動物性脂肪を求めるような脳内のストレスの一種のことです。γ-オリザノールはおいしさや幸福感を与えることで脳内ストレスを減らし、肥満や2型糖尿病の予防や改善に役立つことが期待されています。

 

玄米を食べる際の注意点とは

玄米食

健康に良いとされる玄米ですが、食べる際の注意点もあります。主な注意点は下記の2つです。

  1. 玄米だけでは1日に必要な栄養素を充足できない
  2. 消化不良による体調不良が起こる可能性 

下記を参考に玄米を食べるようにしてください。

 

1.玄米だけでは1日に必要な栄養素を充足できない

玄米だけに偏って食べていると、他の食品を一緒に食べるときと比べ、摂取しているカロリーの割にたんぱく質や脂質の割合が減ってしまいます。また、ビタミンAやビタミンCなど、玄米には含まれていない栄養素もあります。そのため、玄米は主食とし、必ず1日3食、毎食主食・主菜・副菜を揃えてバランスよく食べることを前提としてください。

 

2.消化不良による体調不良が起こる可能性

玄米は白米と比較すると硬く、食物繊維が多い上に、お米は1粒1粒が小さいため、あまり噛まずに飲み込んでしまうことで消化不良を起こしやすくなります。少量ずつ、よく噛んで食べるようにしましょう。また、体調や胃腸の調子が悪い時は無理に食べないようにするということも大切です。

 

まとめ

玄米

こちらの記事では、玄米に含まれるたんぱく質量について、他の食品とも比較しながら解説しました。たんぱく質はからだを構成する重要な栄養素の1つで、不足するとさまざまな不調を引き起こしてしまいます。玄米はたんぱく質を他の栄養素ともバランスよく摂取できる食品です。普段の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?

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