コラム

五郎兵衛米の新米はいつから?新米と古米の違いや美味しい炊き方のコツを紹介

長野が誇る希少なお米「五郎兵衛米(ごろべえまい)」。恵まれた土地と環境、生産者のこだわりが作り出す、強い粘りと甘みが魅力のブランド米です。 そんな五郎兵衛米がより一層輝きを放つ「新米」の時期とは、いつ頃なのでしょうか。本記事では、五郎兵衛米の特徴や新米が収穫される時期、新米と古米の違いなどについて解説します。 五郎兵衛米とは 五郎兵衛米とは、長野県佐久市浅科村にある五郎兵衛用水の水を使って栽培されている、信州コシヒカリです。限られた土地でしか栽培できないため、「幻のお米」とも呼ばれています。その美味しさから多くの高級料亭で扱われ、全国の一般市場へ出回ることはあまりありません。 五郎兵衛米の由来と歴史 五郎兵衛米が栽培されている五郎兵衛新田は、元々はお米の栽培には向かない荒地でした。しかし、江戸時代に市川五郎兵衛真親(いちかわごろうべえさねちか)が浅科村の原野を水田開発するために、私財を投じて用水路を築きました。 この用水路が「五郎兵衛用水」です。五郎兵衛用水は約20kmの長さを誇る水路となり、水源は八ヶ岳の最北端に位置する蓼科山(たてしなやま)の標高1900mから湧き出た天然水です。この清い水で作られたお米がとても美味しいと評判になったことから、ここで栽培するお米は「五郎兵衛米」と呼ばれるようになりました。 五郎兵衛米が「幻のお米」と呼ばれる理由 ところが、五郎兵衛用水を使って栽培できる田んぼは、わずか約400ヘクタールしかありません。高評価を誇る五郎兵衛米の栽培には蓼科山からの天然水は必要不可欠であるため、生産量を増やすことはできません。 さらに、生産者の稲一本一本を大切にしたいという思いから、生産量を無理に増やすための追肥は行わないばかりか、通常よりも株と株の間隔を空けて風通しの良い環境で栽培する「疎植栽培」という方法を採用しています。 そういった背景から、五郎兵衛米は数量限定のお米となり、全国の一般市場へ流通することが少なく、「幻のお米」と呼ばれているのです。 五郎兵衛米の特徴と栽培のこだわりとは 五郎兵衛米は、先人の努力と自然の恵み、そして生産者の栽培に対するこだわりが生んだ唯一無二の産物です。他のお米では簡単には真似できない、五郎兵衛米ならではの特徴と具体的なこだわりについて解説します。 作り方の違い 他のお米と比較した作り方の違いといえば、やはり「水」です。天然水が田んぼに贅沢に流れ込む環境は、決して真似できるものではなくとても恵まれた環境です。水が良いと微生物の活動が活発になり、土も良くなります。 そして自然の恵みによって整った土をさらに良くするために、五郎兵衛新田では通常の倍以上となる年に4回耕すことをこだわりの1つとしています。そうするとより多くの酸素が土の中に供給され、稲は力強く根を張ります。土に負担をかけない土作りは、美味しいお米を栽培するための基本とも言えます。 また、緻密な施肥設計を欠かさないことも他とは違うこだわりの1つです。有機肥料であっても、肥料は決して多ければ良いと言うことではなく、多すぎると窒素過剰を引き起こす可能性があります。すると必要以上に大きく育ち、稲が倒れてしまうと品質は著しく低下するのです。 他のお米と比較した味の違い 五郎兵衛米の魅力は、炊いたときの強い粘りと噛むほどに口の中に広がる甘みです。 このような一粒一粒がしっかりとしたお米に仕上がる要因には、養分や水分を保つことのできる「強粘土質な土壌」、高い標高と日本有数の晴天率によって起こる「日照量の多さ」「1日の寒暖差」、そして蓼科山から流れ込む「清らかな天然水」が挙げられます。 また疎植栽培による風通しの良さから、病気にかかりにくい稲を育てることが可能となります。極限まで農薬を減らすことができ、安心安全なお米が育ちます。 新米の定義とは JAS法によると、秋に収穫してその年の12月31日までに精米され、包装されたお米を「新米」としています。お米の流通では、11月1日から翌年の10月31日を1年のくくりとしています。 また、お米が収穫される時期は地域によって差があるので、新米が出回る時期も地域ごとに多少異なります。 地域による新米が市場に出始める時期 各地域ごとに新米が店頭に出回る時期は、沖縄や九州の一部で7月ごろ、九州から近畿、東海、北陸で8月ごろ、関東から東北、北海道で9月ごろです。お米の収穫時期はその年の気候や気温などにも左右される他、品種によっても異なるため、おおよその目安となります。 五郎兵衛米の新米を購入するには? 令和4年産の五郎兵衛米の新米は、地元の産直販売や通販サイト、ふるさと納税などで購入することができます。農家や業者などによっても予約が始まる時期や発送時期は異なるので、早めに各ホームページなどを確認するのがおすすめです。 9月下旬から11月頃までにかけて発送される 農家や業者によっては、9月頃から予約が始まっているようです。収穫の時期によっても前後しますが、発送時期はおよそ9月下旬から11月頃にかけてになります。希少性があり人気のあるお米なので、早めに予約をしておくのがおすすめです。...

五郎兵衛米のランクは?令和3年産米のランキングからお米の特徴を詳しく解説

山に囲まれた土地ならではの日射量や昼夜の寒暖差、強粘度が特徴の土壌、そして蓼科山から流れ込む天然水をたっぷりと使用して作られる「五郎兵衛米」。長野県が誇る信州コシヒカリは、一般財団法人日本穀物検定協会が行う食味ランキングにおいて、どのような評価を得ているのでしょうか。 本記事では、五郎兵衛米の歴史や魅力とともに、食味ランキングの概要、令和3年産米のランキングの特徴などについて解説します。 五郎兵衛米とは 五郎兵衛米とは、長野県佐久市旧浅科村にある五郎兵衛用水の水を使って栽培されている、信州コシヒカリです。 五郎兵衛用水は、江戸時代に市川五郎兵衛真親(いちかわごろうべえさねちか)が私財を投じて苦労の末に築いた、約20km続く歴史ある水路です。蓼科山からの清流が水源となっていて、この清い水で栽培されたお米がとても美味しいと評判になったことから、この土地で育つお米を五郎兵衛米と呼ぶようになりました。 五郎兵衛米の魅力は、強い粘り気と噛むほどに口の中に広がる甘み。ふっくらとした粒で艶があり、冷めても美味しく食べられることなどから、最高峰の「特Aランク」を取得した実績を持ちます。 生産量が少ない希少性米と言われている 小さな村である旧浅科村には、五郎兵衛用水を使用して栽培することができる水田はわずか約400ヘクタールしかありません。さらに生産者のこだわりから、田んぼの面積における苗の数は通常の約7割程度に留めています。すると稲一本一本に日光があたり風通しも良くなるため、病気知らずな丈夫な稲が育ちます。 そういったことから、五郎兵衛米が生産できる量は限定され、希少性米となっています。 元々は高級料亭でしか味わえなかった 五郎兵衛米は、その美味しさから高い評価を受け、多くの高級料亭で扱われています。希少性が高いことから、全国の一般市場に流通することはほとんどなく、元々は高級料亭での買付けで完売してしまう程でした。 通販やふるさと納税の返礼品としても人気 現在では、五郎兵衛米は長野県佐久市のふるさと納税の返礼品として出品されるようになりました。農薬や化学肥料の使用が基準値以下の「特別栽培米」でもある五郎兵衛米は、地方創生やSDGsの「持続可能な消費と生産」や「陸上資源」の視点から、佐久市のブランド米として広めていこうという運びです。 生産者の依田さんが運営する「THE 五郎兵衛米 信州佐久オーガニック研究会」のホームページや各通販サイトでも購入することができ、高い評価と人気を集めています。 五郎兵衛米が美味しいと言われる理由とは 五郎兵衛米が美味しいと言われる理由には、お米の栽培において重要な「水」「日射量」「土」「気温」の主に4つの要素が関係しています。五郎兵衛米が育つ旧浅科村ならではの自然と生産者のこだわりが生んだ、奇跡と努力の産物です。 5つの要素について、1つ1つみていきましょう。 蓼科山(たてしなやま)の天然水を利用 蓼科山は日本有数の晴天率を誇る 強粘土質な土壌で栽培される 昼夜の寒暖差が高い 緻密な施肥設計でお米の品質を守る   1.蓼科山(たてしなやま)の天然水を利用 五郎兵衛米の栽培に使用する五郎部用水の水は、蓼科山の標高約1900mの高さから流れる水が水源となっています。この天然水が清らかであるからこそ、微生物の活動が活発になり、土までも良くしていきます。そしてこの天然水が贅沢に流れ込む環境は、美味しい五郎兵衛米の栽培には欠かせない要素の1つであり、他のコシヒカリとの違いでもあります。 2.蓼科山は日本有数の晴天率を誇る 蓼科山が位置する長野県は、実は全国でもトップレベルの日射量を誇る県です。そしてその中でも佐久市は上位にあたり、その晴天率の高さはお米の栽培にとってとても恵まれた環境です。太陽の光をたくさん浴びて育つ五郎兵衛米は、甘みを蓄えながらどんどん成長していき、他のお米より群を抜いて美味しくなるのです。 3.強粘土質な土壌で栽培される 五郎兵衛米は、佐久地域特有の強粘土質な土壌で栽培されています。土の粘度が高いということは、肥料が流れずに保つ力が豊かであるということになります。そしてこの土壌で育つ五郎兵衛米の稲は、しっかりと根を伸ばし無駄なく養分を吸収していきます。 その結果、炊いたときに強い粘り気と甘みが存分に味わえる、美味しいお米となります。...

五郎兵衛米生産者の依田さんのこだわりとは?安心で美味しいお米づくりの秘訣や魅力を紹介

粘りの強さと噛むほどに口の中に広がる甘みが魅力の五郎兵衛米。多くの高級料亭でも扱われる程高い評価を受けるこのお米は、恵まれた土地と環境のみならず、作り手の数々の努力とこだわりによって実現した唯一無二の産物です。 本記事では、五郎兵衛米の特徴や歴史とともに、生産者である依田さんの栽培へのこだわり、安心安全なお米作りの秘訣、五郎兵衛米の美味しい食べ方などについてご紹介します。 幻のお米と呼ばれる五郎兵衛米とは? 五郎兵衛米とは、長野県佐久市旧浅科村の一部地域で栽培されている、信州コシヒカリです。蓼科山から流れ出る清流と強粘土質な土壌が揃う恵まれた土地でしか栽培できないことから、「幻のお米」とも呼ばれています。 さらに、トップレベルの日射量とこの土地ならではの寒暖差によって、一粒一粒にしっかりとした粘りと甘みのあるお米へと仕上がります。五郎兵衛米は、炊きたてはもちろん冷めても美味しく、お弁当やおにぎりとしても美味しく味わうことができます。 五郎兵衛米の歴史 五郎兵衛米の産地である五郎兵衛新田は、はるか昔は山に囲まれた荒地でした。ところが、江戸時代に市川五郎兵衛真親(いちかわごろうべえさねちか)が私財を投じて約20km続く五郎兵衛用水を築いたことにより、この旧浅科村地域での新田開発が行われました。 五郎兵衛用水の水源は、蓼科山(たてしなやま)の標高約1900mから流れる清流です。この清い水を使ってつくるお米が美味しいと評判になったことから、「五郎兵衛米」と名付けられました。 そしてこの五郎兵衛用水は、2006年に農林水産省の疎水百選の1つに選ばれ、また2018年には、国際かんがい排水委員会(ICID)によって世界かんがい施設遺産に登録されました。このことは、先人の努力を引き継ぎ、今もなお自然の恵みを守り抜いていることの証とも言えます。 高級料亭でも扱われている 五郎兵衛米は、その高い評価から多くの高級料亭で扱われています。五郎兵衛米が誕生するまでの歴史と生産者の依田さんが持つ強いこだわり、お米への想いが合わさって作られている五郎兵衛米は、その美味しさと希少性から高い評価を得ているのです。 五郎兵衛米は希少性米のため生産量が少ない 五郎兵衛米が「幻のお米」とも呼ばれている理由は、希少性が高いことで全国に流通することがほとんどなく、知る人ぞ知るコシヒカリ最高峰のお米であるからです。高い評価を得ながらも希少性が高いのには、以下のような理由が挙げられます。 大量生産したくてもできないお米 長野県の中でも小さな村である旧浅科村には、五郎兵衛用水を使って栽培することができる水田はわずか400ヘクタールしかありません。さらに、稲一本一本を大切に育てるために、田んぼの約7割程度しか苗を植えないというこだわりがあります。すると必然的に収穫量は少なくなります。 通常のお米よりも手間がかかるため生産者も少ない 限られた土地でしか栽培できないことや強いこだわりから、通常のお米の栽培よりも多くの手間がかかります。また、小さな村であるため生産者が年々高齢化していることなども相まって、さらに生産者が少なく希少性米となっているのです。 THE 五郎兵衛米 信州佐久オーガニック研究会とは 五郎兵衛米の生産者である依田さんが代表を務める「THE 五郎兵衛米 信州佐久オーガニック研究会」という会社があります。五郎兵衛米を購入することができる通販サイトの運営や、依田さんの社会情勢に対する想いや願いを形にするべく、お米を通したプロジェクトの運営などを行っているそうです。 この研究会は、依田さんの五郎兵衛米にかける愛情や様々な熱い想いから、1993年に設立されました。生産におけるこだわりや努力は、五郎兵衛米を実際に口にすることですぐに納得がいくでしょう。 生産者である依田さんのこだわり 五郎兵衛米の生産者である依田さんは、農業とは無関係の仕事や様々な経験を経て、故郷である長野県佐久市旧浅科村でお米の栽培を始めました。 依田さんのお米作りにおいてのこだわりは「自然の力を信じ謙虚な気持ちで向き合うこと」。五郎兵衛米を生み出す様々な自然の力に感謝しつつ、化学肥料と農薬を多用する農業を改め環境に優しく持続可能な農業を目指しています。さらに、こだわりの栽培技術によって、さらなる味の向上に励んでいます。 研究会での過去のプロジェクト実績とは THE 五郎兵衛米 信州佐久オーガニック研究会は、クラウドファンディング・プラットフォームを通して、2017年に「親と離れて暮らす子供たちに美味しいお米を食べてもらいたい」というプロジェクトを開始しました。日本には親や家族と離れて暮らさざるを得ない子供たちが数多く存在している実態に目を向けて、自身が作った安心できる美味しいお米をその子供たちに食べてもらいたい、という思いから発足されたそうです。 そして神奈川県箱根町にある児童養護施設、箱根恵明学園へ、1年で100kgの五郎兵衛米を寄贈したそうです。そしてさらに次のプロジェクトでは、1ヶ月で100kg、1年で1,200kgの五郎兵衛米を贈りました。...

五郎兵衛米を美味しく食べるための炊き方とは?水加減やおすすめの保管方法についてご紹介

強い粘り気と噛むほどに口の中に広がる甘み、一粒一粒から風味豊かな香りが感じられる「五郎兵衛米」。最高峰となる特Aランクを取得した実績を持つ信州コシヒカリ、五郎兵衛米が手に入ったら、正しい保管方法や炊き方でその魅力を余すことなく味わいましょう。 本記事では、五郎兵衛米の魅力とともに、五郎兵衛米を美味しく食べるための炊き方やお米の品質を守る保管方法などについて解説します。 五郎兵衛米とは 五郎兵衛米とは、コシヒカリの中でも長野佐久市旧浅科村の一部地域で栽培されているお米です。五郎兵衛用水という約20km続く水路の水を使っていることから、その名前が付いています。 五郎兵衛用水は、江戸時代に市川五郎兵衛真親(いちかわごろうべえさねちか)という人物が私財と生涯を投じて開拓した、歴史ある水路。この水路の水を使って作るお米が美味しいと評判になり、五郎兵衛米というお米の名が付けられました。 生産量が少ない希少性米と言われている 五郎兵衛用水を使って栽培することができる田んぼは、わずか400ヘクタールしかありません。さらに、生産者のこだわりから稲一本一本を大切にするべく疎植栽培を行っているため、田んぼにおける苗の数は通常の約7割程度に留めています。 これらの理由から、大量に生産することができない数量限定のお米となっています。その希少さ故に「幻のお米」とも呼ばれています。 高級料亭でも扱われる特Aランクのお米 五郎兵衛米は、その希少さと美味しさから高い評価を受け、多くの高級料亭でも扱われています。一般財団法人日本穀物検定協会が定める「食味ランキング」において、最高峰となる特Aランクを取得するなど、その美味しさと品質の良さは確かなものです。 五郎兵衛米の美味しさを決める特徴とは お米の味や品質は、栽培時に使用する水、土、気温、湿度、日射量など様々な要素によって左右されます。強い粘り気と噛むほどに口の中に広がる甘みが魅力の五郎兵衛米は、次のような栽培環境が基となっています。 蓼科山(たてしなやま)から湧き出た天然水 強粘土質の土壌 高い標高からなる昼夜の寒暖差 日本有数の晴天率 お米の品質を守る緻密な施肥設計 疎植栽培で稲一本一本を大切に 1.蓼科山(たてしなやま)から湧き出た天然水 水田で育つお米にとって、水の清さは美味しさを決める最も重要な要素の1つです。五郎兵衛米の栽培に使用する五郎兵衛用水の水源は、蓼科山の標高約1900mから湧き出た天然水。この清らかな天然水が田んぼに贅沢に流れ込むことで、微生物の活動も活発になり土も良くなっていきます。 他のコシヒカリとの1番の違いはこの「水」であり、五郎兵衛米の魅力である香り豊かな風味は五郎兵衛新田でしか作り出すことはできません。 2.強粘土質の土壌 五郎兵衛米が栽培されている旧浅科村の特徴は、特有の強粘土質の土壌を持つことです。コンバインの寿命が半分になるほどの土の粘度で、蓼科山からのミネラルを多く含んだ天然水や肥料を保つ力が豊かで、稲はしっかりと根を伸ばしていきます。養分を余すことなく吸収するので、炊いたときに粘り気と強い甘みがあるお米となります。 また、生産者は田んぼを耕す回数にこだわりを持っています。稲の根がきちんと呼吸ができるように、通常の倍以上にあたる年に4回に渡り耕しています。そうすることで、土の中に酸素が十分に供給され、稲は上手に根張りを行うことができます。 土壌の性質を見極めて最大限に活かした栽培を行うことが、五郎兵衛米の美味しさの秘訣です。 3.高い標高からなる昼夜の寒暖差 山に囲まれ標高の高い長野県ならではの特徴は、昼夜の寒暖差が大きいことです。日中は全国トップレベルの日射量で気温がどんどん上昇していくのに対し、夕方以降太陽が山に隠れ始めると気温は一気に下降していきます。この自然が作る寒暖差によって、稲は負けじと力強く根を張り、甘みを蓄えた味わい深いお米が育つのです。 4.日本有数の晴天率 また、佐久地域の晴天率は日本有数のトップレベルを誇ります。太陽の光を存分に浴びることで、養分をたっぷりと蓄えて甘く美味しいお米に育つことは言うまでもありません。またこのような気候で育つお米は、風通しが良く稲の病気であるいもち病が発生しないのも特徴です。このことが、農薬を極限まで減らして栽培することができる理由となります。 5.お米の品質を守る緻密な施肥設計...

五郎兵衛米とは?幻のお米と言われる理由や栽培のこだわりについてご紹介

限定された希少な生産量とその美味しさから「幻のお米」とも言われる五郎兵衛米。高級料亭などでも扱われるほどのその魅力は、お米の栽培にとって恵まれた環境や生産者の数々のこだわりによって生み出されます。 本記事では、五郎兵衛米の特徴や歴史、栽培のこだわりなどと併せて、五郎兵衛米の美味しい炊き方についても解説します。   五郎兵衛米とは? 五郎兵衛米(ごろうべえまい)とは、長野県佐久市内の旧浅科村の一部地域で栽培されている、コシヒカリの一種です。「五郎兵衛用水」の水を使って栽培していることから、その名が付いています。 五郎兵衛米の魅力は、お米1粒1粒に感じられるしっかりとした粘り気と、噛むほどに口の中いっぱいに広がる甘みです。また、炊きたての熱いうちが最も美味しく味わえるのはもちろん、冷めても美味しいのでおにぎりやお弁当に入れてもその美味しさが十分に感じられます。 「幻のお米」と呼ばれる理由 そんな五郎兵衛米が「幻のお米」とも呼ばれている理由には、お米を栽培するために使われる「水」に対するこだわりが関係しています。五郎兵衛用水の水は、八ヶ岳連峰の最北端に位置する「蓼科山(たてしなやま)」の標高1900mから湧き出た天然水を水源としています。この蓼科山からの清い天然水を贅沢に使って育てることができる田んぼは、この旧浅科村地域の中でもわずか約400ヘクタールしかありません。 そのため、大量に生産することができないことから「幻のお米」と呼ばれているのです。その希少さゆえに、全国の一般市場へ流通することも少なく、多くの高級料亭などで扱われています。 五郎兵衛米の歴史 五郎兵衛用水とは、江戸時代に「市川五郎兵衛真親(いちかわごろうべえさねちか)」という人物が私財とその生涯を投じて築いた、約20kmの歴史ある水路です。蓼科山を源流とする鹿曲川上流より用水路を作り、五郎兵衛新田を開発したことが始まりと言われています。 はるか昔、この地域は湖であったものの、山に囲まれていたことから八ヶ岳や浅間山の火砕流から守られていました。その上、湖に蓄積された強粘度の土壌がこの狭い地域に残り、このことが五郎兵衛米の美味しさを決める重要な要素の1つとなりました。 五郎兵衛米は、このようないくつもの努力や奇跡が重なってできた、まさに「幻のお米」なのです。 五郎兵衛米の美味しさを決める3つの要因 五郎兵衛米の美味しさは、お米の栽培にとって命とも言える「水」「土」「気候」の3つの要因が関係しています。1つも欠けることなく、全てが五郎兵衛米にしかない優良な条件を満たしているからこそ実現できるものです。 そんな旧浅科村ならではの自然からなる3つの要因について、1つ1つみていきましょう。 蓼科山(たてしなやま)から湧き出た天然水 強粘土質の土壌 昼夜の寒暖差   1.蓼科山(たてしなやま)から湧き出た天然水 水の中で育つ水稲にとって、水の純粋さは最も重要な要素の1つです。水の質が良いほど微生物の活動も活発になり、土までも良くしていきます。五郎兵衛米が栽培される水田には、蓼科山の標高約1900mから湧き出た天然水が贅沢に流れ込んでいて、そのことがお米の美味しさを決める重要な要因となっています。 2.強粘土質の土壌 2つ目の要因は、旧浅科村特有の土壌の粘度の高さです。五郎兵衛米は、コンバインの寿命が通常の半分になるほどの強粘土質の土壌で栽培されています。粘度が高いことで、蓼科山からのミネラルをたっぷり含んだ天然水や肥料をしっかりと保持できるため、稲にたくさんの栄養が行き届きます。 無駄なく栄養を蓄えたくましく育った稲からは、炊いたときに強い粘り気や甘みを生み出す美味しいお米ができるのです。 3.昼夜の寒暖差 3つ目の要因は、山に囲まれた長野県の土地がもたらす、1日の寒暖差です。標高の高い長野県は、日中は日本においてトップレベルの日射量となります。そしてその中でも、この佐久市旧浅科村地域はさらに上位に値するため、日中の気温はグングン上昇する一方、太陽が山に隠れ始める夕方以降になると気温はみるみる下降していきます。 この自然に起こる寒暖差に耐えながら、太陽の光を存分に浴びて力強く根を張って育つことで、甘みを蓄えた味わい深いお米が育つのです。 またこのような爽やかな気候で育つお米は、稲の病気であるいもち病の心配がありません。そのため、農薬を極限まで減らして栽培することができます。 五郎兵衛米の美味しさへのこだわり...

玄米100gのカロリーと糖質を白米と比較|玄米ダイエットのコツや注意点も

健康維持やダイエットに良いイメージのある玄米ですが、実際カロリーや糖質はどのくらい含まれているのかご存知ですか?本記事では、炊飯前と炊飯後の玄米100gのカロリーや糖質を、白米と比較しました。さらに他の栄養素量の比較も行い、玄米が健康維持やダイエットに良いと言われる理由についても解説しています。併せてダイエット中の玄米の取り入れ方や注意点、玄米ご飯に合うおすすめの組み合わせなどもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。   玄米100gのカロリー・糖質を白米と比較 炊飯前と炊飯後において、玄米と白米それぞれ100gあたりのカロリーと糖質を比較してみましょう。   【炊飯前】玄米100gのカロリー・糖質を白米と比較 炊飯前の玄米100gのカロリーは346kcalであるのに対し、白米は342kcalです。同様に、炊飯前の糖質を比較すると、玄米100gでは71.3gであるのに対し、白米は77.1gです。 健康に良いと言われることが多い玄米ですが、実は玄米と白米において、炊飯前のカロリーと糖質量に大きな差はありません。   【炊飯後】玄米100gのカロリー・糖質を白米と比較 炊飯後の玄米100gのカロリーは152kcalであるのに対し、白米は156kcalです。同様に、炊飯後の糖質量を比較すると、玄米100gでは34.2gであるのに対し、白米は35.6gです。 炊飯後の数値を比較しても、玄米と白米ではカロリー・糖質ともにほとんど差はないことがわかります。   茶碗1杯(150g)の玄米のカロリー・糖質を比較 炊飯後の玄米茶碗1杯(150g)分では、カロリーは228kcal、糖質は51.3gとなります。この数値を、他の主食となる食品と比較してみましょう。 1食分の白米・麺類・パンとそれぞれ比較すると? 一般的な主食のうち、玄米・白米は茶碗1杯(150g)、食パン6枚切りを2枚、ゆでうどん200g、ゆで中華麺230g、ゆでそうめん270g、ゆでスパゲティ250g、ゆでそば200gのカロリー・糖質を比較しました。これらの分量は1人前の目安として設定しているので、市販品やお店によっては差があります。 比較すると、最もカロリー・糖質ともに低いのは「ゆでうどん」で、最も高いのは「ゆでスパゲティ」であることがわかります。玄米のカロリーは2番目に低く、糖質は4番目に少ないという結果です。このことからも、カロリーと糖質の比較では特にダイエットに向いている食品とは言えません。   玄米に含まれる他の栄養素量を白米と比較 では、カロリー・糖質以外の栄養素ではどのような差があるのでしょうか。玄米に含まれる他の栄養素量を白米と比較してみましょう。   白米よりも玄米の方が栄養素が豊富 表を見るとわかるように、白米と比較して玄米はビタミンB1が5.1倍、ビタミンB6は3.7倍、食物繊維は6倍、鉄分は2.6倍、マグネシウムは4.7倍も多く含まれています。これが、玄米が「完全栄養食」とも言われている理由であり、玄米の最大の魅力です。 低カロリー・低糖質ではない玄米がダイエット向きな理由 これまでの比較を見ていくと、玄米は決して低カロリーや低糖質な食品というわけではないことがわかります。では、なぜ玄米はダイエットに向いていると言われているのでしょうか。それには、玄米に豊富な栄養素の働きや、以下の項目ような玄米の特徴が関係しています。   糖が吸収しにくくGI値が低い ダイエットの観点から、玄米と白米の大きな違いの1つとして「GI値」があります。GI値とは、ある食品を食べたあとの血糖値の上昇度合いを表す指標です。血糖値が上昇することで分泌されるインスリンには、身体に脂肪を溜めやすくする働きがあるため、血糖値の急上昇はなるべく避けるほうが良いとされています。 そのため、GI値が低い食品を選んだり、最初に食べるなどの工夫をすることがダイエットにおいても重要です。そこで白米と玄米のGI値を比較すると、白米は88で高GI食品、玄米は55で低GI食品に分類されます。この差が、玄米が白米よりもダイエットに向いていると言われる1つの要因です。...

「寝かせ玄米ダイエット」はリバウンドしにくい?効果や正しいやり方をご紹介

ダイエットを始めるときに気になることといえば、ダイエットの効果や続けやすさ、リバウンドのしやすさなどが挙げられるでしょう。本記事では、「寝かせ玄米ダイエット」の効果やリバウンドの有無などに加えて、正しいやり方、メリット・デメリットについて解説しています。また、炊飯器を使った寝かせ玄米の作り方もご紹介しているので、始めようと思っている人はぜひ参考にしてみてください。 寝かせ玄米はダイエットに効果的 「寝かせ玄米」とは、玄米と小豆と塩を混ぜて炊き、3日間ほど保温して寝かせた(熟成させた)ものです。寝かせ玄米ダイエットはとても分かりやすく簡単に行うことができるため、リバウンドがしにくいダイエット方法でもあります。 即効性があるわけではありませんが、長期的に行うことで健康的な体質の変化が期待できます。 酵素の力で玄米よりもさらに栄養価がアップ 元々完全栄養食とも言われるほど栄養価に優れている玄米ですが、寝かせ玄米はさらに栄養価が高いとされています。それには、炊くときに加える「小豆」の栄養価がプラスされることと、3日間寝かせることで酵素の力が働くということが関係しています。 特に「酵素の力」とは、ぬかの部分に含まれている酵素が発酵することで、ビタミンやミネラル、アミノ酸、食物繊維、GABA(ギャバ)などの栄養価がさらにアップすると言われています。   寝かせ玄米に期待できる効果は? 白米と比較しても豊富な栄養価を誇る玄米ですが、さらに栄養価がアップした寝かせ玄米は、その栄養素の効果により以下のような効果が期待できます。 腸内環境の改善 血糖値の上昇を緩やかにする 血液がサラサラになる むくみの改善 アンチエイジング ストレスの軽減   腸内環境の改善 白米の約6倍もの食物繊維が含まれる玄米は、その効能の1つである腸内環境を整える効果が期待できます。特に玄米に豊富に含まれる不溶性の食物繊維は、水分を吸着することで便のかさを増やし、有害物質を一緒に排出してくれます。それにより、便秘の予防と改善の手助けとなり、整った腸内環境づくりをサポートします。 そしてさらに寝かせ玄米では、酵素による働きと小豆により食物繊維の含有量がさらに増加するため、より高い効果が期待できます。   血糖値の上昇を緩やかにする 食事を取ることで上昇する血糖値ですが、この血糖値の上昇はなるべく緩やかにすることが、ダイエットや健康維持においてとても重要なことです。なぜなら、上昇した血糖値を下げるために分泌される「インスリン」は、脂肪の合成を促進する働きも持つからです。インスリンの分泌が繰り返されることで、身体は脂肪を溜め込みやすくなっていきます。 血糖値の上昇度合いを数値化した指標に「GI値」というものがあり、GI値は数字が大きいほど血糖値の上昇が急激であることを表します。例えば、白米のGI値は88で「高GI食品」と言われるのに対し、玄米は55で「低GI食品」に分類されます。つまり白米よりも玄米の方が血糖値の上昇度合いは緩やかで、太りにくいということです。 さらに、寝かせ玄米に使用する小豆には、血糖値の上昇を抑える効果が期待できる「ポリフェノール」も含まれているため、より高い効果が期待できます。   血液がサラサラになる 酵素の力によって増加するGABA(ギャバ)という栄養素には、血中の中性脂肪やコレステロール値を下げる働きがあります。これらの数値を正常に保つことで血液の流れをスムーズに保つことができ、血液の詰まりによって引き起こされる動脈効果などを予防する効果が期待できます。   むくみの改善...

玄米の血糖値への影響は?玄米と血糖値、ダイエットへの影響を解説する

玄米は糖質制限中の主食としてよく用いられる食品です。ダイエットや筋トレをしている人が食べているイメージもありますが、実際血糖値への影響はどうなのでしょうか?こちらの記事では、玄米と血糖値について、ダイエットへの影響も含めて解説しています。こちらの記事を読むことで、玄米についてだけでなく栄養学的な基礎もしっかり理解できます。糖尿病の治療にも有用です。是非参考にしてみてください。   玄米とは まずは玄米についてみていきましょう。玄米は稲の実から「もみがら」のみを除いたもので精米度合いがもっとも低いもののことを言います。精製があまりされていないことから、お米のもつ栄養素がほとんどそのまま含まれています。では、具体的にみていきましょう。   玄米に含まれる栄養素 玄米には、三大栄養素である糖質、たんぱく質、脂質以外にもビタミン、ミネラル、食物繊維を含みます。ビタミンは特にビタミンB群が多く、ビタミンB群は栄養素をからだの中で代謝する(利用できる形にする)ために必要な栄養素です。糖質や脂質を代謝するのに必要なので、ダイエットや筋トレ中の方に摂取が推奨されます。また、玄米には腸内環境の改善に役立つ食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維は善玉の腸内細菌のエサとなり、からだを内側からキレイにしてくれる嬉しい栄養素です。   玄米と白米に含まれる栄養素の比較 玄米には上記のような栄養素が含まれていることがわかりましたが、一般的な主食である白米と比較してみるとどうなのでしょうか?下の表にまとめてみました。   玄米 白米 エネルギー(kcal) 346 342 タンパク質(g) 6.8 6.1 脂質(g) 2.7 0.9 炭水化物(g) 74.3 77.6 ナトリウム(mg) 1 1 カリウム(mg) 230...

白米のカロリーはどれくらい?他の炭水化物と比較して太りやすい?

近年、「白米は太る」などの話を耳にすることがありますが、これは本当なのでしょうか?日本では主食の白米ですが、ダイエットを考えるとどのくらいなら食べて良いのか、代わりの主食を考えた方が良いのか悩む人もいるのではないでしょうか。こちらの記事では白米のカロリーについて紹介し、他の炭水化物食品と比較しても太りやすいのかについて解説しています。こちらの記事を参考に、正しい知識を健康に生かしましょう。 白米のカロリー まずは早速白米のカロリーをみていきましょう。日本食品標準成分表2020年版によると、白米のカロリーは100gあたり342kcalです。炊飯後は156kcaになります。100gあたりで聞くと少しわかりにくいかもしれません。実際に食べる場合のカロリーもみていきましょう。 お茶碗1杯分のカロリー 白米のお茶碗一杯分は、普通のご飯茶碗であれば普通に盛った場合、150g程度になります。白米の100gが156kcalなので、お茶碗一杯分で234kcalということになります。白米を主食にしている場合は、1食1杯で約234kcalということを覚えておきましょう。 丼1杯分のカロリー 丼の場合は、200g程度のご飯が入っています。そのため、丼1杯分の白米のカロリーは312kcalになります。細かいカロリーを覚えるのは大変です。日本の糖尿病学会が発行している糖尿病食事療法交換表では1単位を80kcalとし、白米80gを1単位としています。ごはん茶碗1杯分150gは約50g×3単位なので約160cal、丼茶碗1杯分200gは約80g×4は約320kcalになります。こちらを覚えておくと、白米の計算が簡単になります。 他の炭水化物のカロリー 白米は日本人の一般的な主食です。他にも主食として食べられている炭水化物食品のカロリーはどれくらいなのか、比較してみましょう。下記で説明する各食材のカロリーは、日本食品標準成分表2020年版をもとに、全て100gあたりで記載しています。 ご飯類 まずは、もっとも一般的な主食であるご飯類のカロリーです。 玄米(めし):152kcal 白米(めし):156kcal 白米と玄米ではカロリーはほとんど変わりません、また、最近白米に混ぜることの多いもち麦や雑穀などを加えてもカロリーはあまり変わりません。カロリーはほとんど同じですが、食物繊維やビタミン類を白米よりも多くとれるため、玄米やもち麦、雑穀米が近年では注目を集めてます。 麺類 次に、麺類をみていきましょう。 うどん(ゆで):95kcal 中華麺(ゆで):133kcal そうめん(ゆで):144kcal スパゲティ(ゆで):150kcal 例に挙げた中では、うどんがもっともカロリーが低くなっています。うどんは小麦と塩、水分で作られますが、中華麺やスパゲティでは麺に油が含まれているためカロリーが高くなっています。また、そうめんもうどんと比較するとカロリーが高くなっています。こちらはゆでたあとの重量に対するカロリーであり、うどんの方が水分を多く含んでいるため、そうめんの方がカロリーが高くなっています。 パン類 最後にパン類のカロリーを紹介します。 食パン:248kcal フランスパン:289kcal 全粒粉パン:251kcal パン類は記事にバターなどの油が含まれているので、主食の中でもカロリーが高くなっています。白米と玄米でカロリーに差異がないように、全粒粉を使ったパンでも普通の小麦を使用したパンとカロリーにほとんど差はありません。 白米とその他の炭水化物の栄養組成 白米を含む炭水化物食品にはカロリーを構成する栄養素以外も含まれています。どのようなものが含まれているのか確認してみましょう。 主に含まれる栄養素...

腸活に「玄米」がおすすめな理由|ダイエット効果も期待できる腸活のすすめ

「玄米が腸活に効果的」という話を聞いたことがあっても、その理由まで深く理解している人はあまり多くはないかもしれません。玄米というと「健康に良い」「ダイエットに効果がある」などと言われることが多い食品ですが、その理由と玄米が腸活に向いている理由には密接な関係があります。 本記事では、腸活とは何かというところから、玄米が腸活に向いている理由やさらに効果がアップするおすすめの組み合わせ食品などについて解説します。 腸活には玄米がおすすめ 健康維持やダイエットに向いている玄米は、腸活にもおすすめの食品です。健康や痩せやすい、太りにくいといった体質には「腸」が大きく関係していて、腸の状態が良いと、これらにも良い影響を与えます。玄米が健康やダイエットにおいて注目されている理由には、「玄米が腸活にも効果的であるから」という事柄も含まれているのです。 主食となる玄米は、日々の食生活に取り入れやすく続けやすいのも、腸活におすすめの理由の1つです。 腸活とは腸内環境を整えること まず腸活とは、腸内環境を整えて腸の働きを正常に保つことです。腸は必要な栄養を吸収し有害な物質を排出する、健康を保つ上でとても重要な臓器です。また、腸は第二の脳とも言われ、腸と脳は迷走神経で繋がっているため身体に与える影響も大きいのです。腸活によって腸が持つ本来の力を取り戻すことは、健康な身体づくりの基礎となります。 「腸内フローラ」を理想のバランスに 人間の腸内には、約1,000種類、約10,000兆個もの細菌が存在しており、腸の中を顕微鏡で見ると腸壁に張り付いた細菌がお花畑(flora)のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれています。この腸内フローラのバランスによって、腸内環境の良し悪しが決まります。 腸内細菌の種類として、腸内環境を整えてくれる「善玉菌」、毒素を排出する「悪玉菌」、腸内が健康なときは善玉菌の味方になり、悪くなると悪玉菌の味方になってしまう「日和見菌」の3種類があります。悪玉菌は身体にとって悪いことだけでなく、たんぱく質を分解するなどの必要な働きも持つため、これらの理想のバランスは「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」の割合とされています。 腸内環境が乱れる要因は? 腸内環境が悪化している状態とは、この腸内フローラのバランスが乱れているということです。肉や脂っこい食事が多いときや、野菜や海藻、穀物などに含まれる食物繊維の摂取量が少ないとき、ストレスが溜まっているとき、不規則な生活が続いているときなど様々な要因によって起こります。 腸内環境が悪化するとどうなる? 腸内環境が悪化すると、便秘や下痢などのお腹の不調に加えて、にきびなどの肌荒れも引き起こします。さらに、免疫力の低下や生活習慣病を引き起こしやすくなるなど、健康面において大きな悪影響を及ぼします。特に、便秘が続くと腸内環境が悪化し、さらに便秘が治りにくくなるという悪循環に陥ります。 腸活のメリットとは? 腸活とは腸内環境を整えることであり、身体にとって様々な良い影響を与えます。それぞれの項目について詳しくみていきましょう。 免疫力がアップする 便秘や下痢の予防と改善 美肌効果が期待できる ダイエット効果が期待できる 1.免疫力がアップする 呼吸や食事の度に口や鼻から侵入する細菌やウイルスは、そのまま腸にまで達します。そしてそのときに活躍するのが、腸に存在する免疫細胞です。腸内には、身体の免疫細胞の約6割が存在していると言われているため、腸内環境を整えて本来の働きを取り戻すことは、細菌やウイルスに負けない身体づくりのためにとても重要と言えます。 2.便秘や下痢の予防と改善 便秘や下痢は、腸内で悪玉菌の割合が増えることで起こりやすくなると言われています。腸活をし腸内フローラのバランスが整うことで、便秘や下痢が起こりにくい状態を作ることができます。 3.美肌効果が期待できる 肌荒れの原因の1つとして、腸内環境の悪化が挙げられます。腸内環境の悪化により腸内に便が停滞すると、悪玉菌が増え有害物質を生成します。この有害物質が体内をめぐり肌にも到達すると、にきびや吹き出物などの肌トラブルを引き起こします。腸活により有害物質の生成を阻止することで、トラブル知らずな健康な肌へと導きます。 4.ダイエット効果が期待できる ダイエットに効果的とされる栄養素を摂取しても、腸において正常に消化・吸収をする力がなければあまり意味がありません。むしろ、ダイエットの大敵である便秘や下痢を引き起こします。腸活により本来の腸の消化・吸収力を取り戻すことで、必要な栄養素は吸収しそれ以外は排出するという力が高まり、結果ダイエットにもより効果的ということになります。 腸活のやり方 腸活の基本は、「食事」「運動」「睡眠」の3つです。このうち1つでも極端に乱れてしまうと、他の2つも乱れやすくなるという悪循環に陥ります。基本の3つを同時に正した効率的な腸活が1番の近道です。...

玄米が健康に良いと言われる理由とは?食べ続ける効果や白米との違いについて解説する

玄米は健康に良い食品といわれており、ダイエットや筋トレなどでは白米より玄米を推奨されることが多いですよね。皆さんはこの理由をご存じでしょうか?本記事では、管理栄養士が玄米が健康に良いとされる理由と食べ続ける効果、白米との違いについて詳しく解説しています。玄米の良さを知るとあなたも取り入れてみたくなるはず。本記事を日々の健康管理に役立ててみてください。   玄米と白米はどう違う? 主食にはごはん、パン、麺類、イモ類などありますが、日本人の主食といえば、ごはん。ごはんにも玄米や白米、白米に雑穀やもち麦を混ぜたものなど種類は様々です。玄米も白米も主食としてよく食べられていますが、どう違うのでしょうか?まずは玄米と白米の違いを解説します。   そもそも玄米とは そもそも玄米とは、どういうものなのでしょうか?お米となる稲の実には、皮である「もみがら」の中に茶色い玄米が入っています。玄米からさらに、玄米の皮である「米ぬか」をとると、白米である胚乳と、小さな芽と根がついた胚が出てきます。つまり、玄米は稲の実から「もみがら」のみを除いたもの、白米は玄米からさらに「米ぬか」と胚を取り除いたものということになります。稲の実の精白具合で玄米から白米まで、異なるお米になります。   白米と含まれる栄養素の違い 精米具合が違う玄米と白米ですが、見た目だけでなく含まれる栄養素も異なります。具体的には次の表の通りです。   玄米 白米 エネルギー(kcal) 346 342 タンパク質(g) 6.8 6.1 脂質(g) 2.7 0.9 炭水化物(g) 74.3 77.6 ナトリウム(mg) 1 1 カリウム(mg) 230...

玄米と白米はどう違う?玄米とその他のお米の違いを徹底解説

日本人の主食と言えばごはん。代表的なごはんとしては白米と玄米がありますが、同じお米でもどう違うのでしょうか?本記事では、玄米と白米の違いと、さらにその他のお米との違いも徹底的に解説しています。これを読めば、主食選びで迷わなくても良くなることでしょう。   玄米と白米の違いとは   まずは代表的なごはんである玄米と白米の違いをみていきましょう。この2つは同じ稲の実なのですが、精米具合が異なります。稲の実は胚乳と小さな芽と根がついた胚が「米ぬか」という皮で覆われており、米ぬかをさらに「もみがら」という皮で覆った構造になっています。これらのもみがらや米ぬか、胚をどの程度除いて精製するかによってお米の種類が異なります。   精米具合別にみたお米の種類 お米は精米具合によって、その種類が異なります。白米と玄米以外にもどのようなものがあるのか確認してみましょう。 ・玄米 玄米とは、稲の実から一番外側の皮であるもみがらのみを除いたものです。精製度合が最も低いので、その分栄養価は高いままになっています。胚乳と胚を覆っている米ぬかはそのまま残っているので、白米と比較すると硬さやボソボソ感があり、初めて食べる人には食べにくい場合もあります。 ・3分づき(3分精米) 玄米から3割ほど米ぬかを除いたものです。玄米に近いですが、米ぬかが減っている分、食べにくさも軽減されています。 ・5分づき(5分精米) 3分づきよりさらに米ぬかが減って、白っぽさが出ています。胚の芽は残っています。風味もあります。 ・7分づき(7分精米) 米ぬかがほとんどなくなり、胚芽が少し失われていています。白米に近い食感で食べやすいです。 ・白米 米ぬかと胚芽がなくなっています。一般的に食べられている白いお米です。   精米具合で変わる栄養素とその割合   精米具合により含まれている栄養素の量も異なってきます。玄米が最も各栄養素の含有量が多く、白米に近づくほど少なくなります。まずは、どのような栄養素が含まれているかを紹介します。   含まれる栄養素 玄米には次の栄養素が多く含まれています。それぞれの栄養素がどのようなものか、また玄米にどれくらい含まれているのか確認していきましょう。   ビタミン 玄米はビタミンの中でも、特にビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は、栄養素をからだの中で代謝する(利用できる形にする)ために必要な栄養素です。例えば、糖質からからだを動かすためのエネルギーを作る際にはビタミンB1やB2、ナイアシン、パントテン酸が必要です。中性脂肪を分解して脂肪酸をエネルギーとして消費するためにはビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸が、タンパク質の代謝にはビタミンB2やビタミンB6が使われます。特に筋トレやダイエットをされている方はビタミンB群の消費量が多いので、主食に玄米が推奨されることが多いです。   ミネラル...

玄米は栄養が豊富?健康に良いと言われる理由と注意点を解説

玄米には、何となく「健康に良さそう」「栄養がありそう」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、イメージの通り、玄米には様々な栄養素が含まれていて、それによる健康への効果も期待できる優れた食品です。 では、具体的にどのような栄養素が含まれていて、どんな効果があるのでしょうか?この記事では、玄米が『完全栄養食品』とも言われている理由と、おすすめの食べ方、また併せて摂取する上での注意点などを管理栄養士が解説します。   玄米が健康に良いと言われる理由とは? そもそも玄米とは、稲の実からもみ殻だけを取り除いたもので、ぬかや胚芽はそのまま残った状態です。一方、精白米とは、稲の実からもみ殻、ぬか、胚芽を取り除いたもので、その行為を精米と呼びます。 実は、この「精米する時に取り除かれる部分」に、優れた栄養素が豊富に含まれています。そのため、精白米を食べるよりも玄米を食べる方が、より無駄なく栄養素を摂取することができるのです。   玄米は完全栄養食として注目されている 玄米は、精白米よりもビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富に含まれていて、健康を保つ上で必要とされている栄養素のほとんどが摂取できるため、「完全栄養食品」とも言われています。 もちろん、完全栄養食だからといって、それだけ食べていれば良いというものではなく、積極的に日々の食事に取り入れることで栄養バランスが整いやすいというものです。   玄米に含まれる栄養素とその効能は? 玄米に豊富に含まれる栄養素は、ビタミンB1、ビタミンB6、鉄分、マグネシウム、食物繊維です。それぞれの栄養素が具体的にどのような働きを持つのか、期待できる効果と併せて見ていきましょう。   ビタミンB1で糖の代謝をサポート ビタミンB1は、糖を分解しエネルギーに変換する時に必要なビタミンです。そのため、甘いものや主食、アルコールを多く摂る方は、特に積極的に取り入れたい栄養素の1つとなります。 また、運動によりエネルギー消費が多い方も、よりビタミンB1が必要になります。 ビタミンB1が不足すると、糖をエネルギー源としている脳や神経に影響が現れます。十分なエネルギーが作り出せなくなることで、疲れやだるさを感じるようになる可能性もあるので、こういった症状がある場合はビタミンB1不足を疑ってみるのも良いでしょう。   ビタミンB6でアミノ酸の働きをサポート ビタミンB6は、主に体内でアミノ酸の働きをサポートする役割を持ちます。また他にも、免疫機能を正常に働かせる役割や、皮膚の抵抗力を増進させる役割、赤血球中で酸素を運ぶヘモグロビンを合成する役割など、人体に欠かせないビタミンの1つです。 ビタミンB6が不足すると、皮膚炎や口内炎、舌炎、貧血、免疫機能の低下などの症状が現れる可能性があります。   鉄分で貧血の予防 鉄分は、赤血球中のヘモグロビンの構成成分となり、全身に酸素を運ぶ役割を持ちます。そのため、鉄分が不足すると酸素が十分に供給されにくい状態になり、鉄欠乏貧血を引き起こしやすくなります。すると、集中力の低下や、頭痛、食欲不振、疲労感などの症状が現れます。 成長期の子どもや、月経のある女性、妊娠中や授乳期の女性は特に不足しやすいので、より積極的に摂りたい栄養素の1つになります。 食品中に含まれる鉄分は、吸収されやすい「ヘム鉄」と、吸収されにくい「非ヘム鉄」の2つに分けられ、玄米は後者の「非ヘム鉄」になります。しかし、「非ヘム鉄」は動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ることで吸収率をアップさせることができます。 玄米と一緒に、たんぱく質を多く含む肉、魚、卵、ビタミンCを多く含む野菜、果物などを組み合わせて食べるのがおすすめです。   マグネシウムで歯や骨を丈夫に...

玄米は痩せるのか?痩せる理由について徹底解説する

ダイエットでは食事の管理が非常に重要。体重を落とす食事内容としては、糖質制限やカロリー制限などがありますが、どちらも主食・主菜・副菜を揃えたバランスの良い内容にする必要があります。よくダイエット中の主食としておすすめされる玄米は本当に痩せるのでしょうか?こちらの記事では、玄米で痩せる理由とポイントを管理栄養士が徹底解説しています。   玄米とは まずは、玄米がどういうものであるのかを確認しておきましょう。お米のもとである稲の実は、胚乳と小さな芽と根がついた胚が「米ぬか」という皮で覆われており、米ぬかがさらに「もみがら」という皮で覆われた構造になっています。玄米とは、稲の実から「もみがら」のみを除いた状態のもののことを指します。   白米との違い 白米は玄米からさらに「米ぬか」と胚を取り除いたものです。白米は玄米よりも精製度が高いため、柔らかく、食べやすくなっています。その反面、栄養素も削ぎ落されているので食物繊維やビタミンB群などの栄養価が玄米に比べると劣ります。ダイエットに必要な栄養素も玄米の方が多く含んでいるため、ダイエット中の主食としておすすめされています。   玄米ダイエットで効果を実感するまでの期間 玄米をダイエットに取り入れた場合、どのくらいで効果を実感することができるのでしょうか?効果を実感するまでの期間をみていきましょう。   目安は2週間〜30日 効果を実感するまでの期間は個人差が大きいですが、2週間~30日が目安です。玄米はミネラルや食物繊維が豊富なので、便秘やむくみの解消にも役立ちます。便秘やむくみがある方は、早く効果を実感できるでしょう。体脂肪の減少としての効果を実感するには30日は見ておく必要があります。その理由としては、体脂肪1kgを減らすためには7200kcalを消費しないといけないためです。例えば、普段の主食が朝食パン5枚切り1枚+マーガリン、昼夕白米150gであったのを毎食玄米120gに変えた場合、1日約275kcal程度のカロリーを抑えることができるので、7200kcalを275kcalで割って26日ということになります。普段の食事量や運動量、玄米の食べ方にもよりますので、あくまでも目安としておさえておきましょう。   玄米で痩せる理由 玄米でダイエット効果を実感できることについて紹介しました。では、なぜ玄米で痩せることができるのでしょうか?玄米がダイエットに効果的である理由を解説していきます。   ダイエットに必要な栄養素が含まれている まず1つ目の理由として、白米と比較すると玄米にはダイエットに必要な栄養素が豊富であることが挙げられます。具体的な栄養素は以下の通りです。   ビタミンB1 ビタミンB1は糖質からエネルギーを作る際に必要な栄養素です。例えば、糖質からエネルギーを作る際には、食べ物からグルコースという最も小さい糖の形にしたあと、さらに細胞内でエネルギー源として利用しやすい形に分解されます。エネルギー源として利用しやすい形になったものが、どんどん形を変えていき、最終的にエネルギーを作る場所に入ります。ビタミンB1は、最終的な場所に入るまでに必要な変換作業を補助する役割を持ちます。ビタミンB1は少量をたまに摂るだけで補うことができる栄養素なので、基本的に不足することはありませんが、高カロリーを摂取している時にビタミンB1が不足すると、乳酸が多く作られてしまうことがあります。   ビタミンB2 ビタミンB2もB1と同じく、エネルギー源として利用しやすい形に変換するのを補助する役割を持ちます。また、脂肪酸の代謝にも関わっています。そのため、欠乏すると成長抑制が引き起こされます。その他にも口内炎や舌炎、口角炎が引き起こされることもあります。   ビタミンB6 ビタミンB6はタンパク質のもとであるアミノ酸の代謝に関わります。また、酵素の働きもサポートするため、健康的な皮膚や骨、免疫系の維持などに役立ちます。ビタミンB6が不足すると、食欲不振やイライラ、口内炎、手足のしびれなどがあらわれます。タンパク質を多くとる人やアルコールを多く飲む人は不足しやすい栄養素なので、積極的な摂取が勧められています。   ビタミンB12...

玄米の糖質は少ない?玄米を食べるメリットとは

健康的な食生活を考える上で重要な糖質の質と量。玄米は健康的な主食としておすすめされることの多い食品ですが、玄米の糖質の量は少ないのでしょうか?主食を玄米に替えるメリットとは?こちらの記事では、そもそも糖質はどうして健康上重要視されるのか、玄米の糖質の量や食べるメリットはどうなのか、について解説しています。   糖質とは まず、糖質とは何であるかを知るために重要なのが三大栄養素です。三大栄養素とは、わたしたち人間が活動するために必要な栄養素で、炭水化物、タンパク質、脂質のことを指します。炭水化物は活動するためのエネルギー源、タンパク質は筋肉や血液、ホルモンなどの素、脂質は脂溶性ビタミンの吸収や非常時のエネルギー源としての役割があります。炭水化物は糖質と食物繊維からなり、活動するためのエネルギー源となるのは糖質です。糖質が肝臓で代謝され、小腸から吸収されて血管を通って全身に巡ることで、脳や筋肉などの様々な臓器を動かすエネルギーとなります。   糖質の質や摂りすぎによる問題点 わたしたちが活動するために必要な糖質ですが、摂りすぎることで様々な不調を引き起こしてしまいます。そのため、糖質制限やロカボ(ローカーボダイエット)などといった糖質を控える食事が流行しています。具体的な健康上の問題は、次の通りです。   太りやすくなる まず、糖質の過剰摂取では太りやすくなるという問題点があります。肥満は万病のもとですし、審美的な観点からも問題視されることがあります。では、なぜ糖質を摂りすぎると太りやすくなってしまうのでしょうか?その理由は大きく2つあります。   血糖値が急激に上がる 1つは、血糖値が急激に上がってしまうためです。肝臓で代謝された糖質はグルコースという小さい糖の形に分解されます。グルコースが小腸から吸収されて、血液に入ることで全身にエネルギー源が分配されます。血液中のグルコースの濃度(血糖値)はホルモンによって一定に保たれます。食後などに血糖値が上昇すると、インスリンというホルモンが分泌されて、血液中のグルコースを細胞内に取り込みます。インスリンは筋肉や脂肪の合成を促す役割も持ちます。糖質を摂りすぎてしまうと、その分血糖値も急激に上昇してしまうので、インスリンの分泌量も増え、脂肪の合成が進んでしまうため、太りやすくなってしまうのです。   脂肪に変わる もう1つは、糖質が脂肪に変わってしまうためです。糖質はエネルギー源となるため食べても消費されますが、過剰に摂取すると、消費し切れずに余ってしまいます。余ってしまった糖質は中性脂肪に変わり、糖質が枯渇してしまった時に備えて、非常用のエネルギー源としてからだに蓄えられます。そのため、糖質の過剰摂取が続くとどんどん脂肪が増えていき、肥満につながります。   糖質と病気のリスクとの関連 糖質の摂りすぎは太りやすくなるというだけでなく、病気のリスクにも繋がります。様々な病気との関連が示唆されていますが、メジャーな病気としては次のものが挙げられます。   2型糖尿病 糖質と直接関連する病気としては2型糖尿病があります。2型糖尿病では血液中の糖質の濃度が高い状態が続いています。血管の中に糖が過剰にあることで、血管を傷つけてしまい、動脈硬化や網膜障害、腎障害、神経障害などの様々な病気を引き起こすことがあります。そのため、2型糖尿病の食事療法では糖質の量を控えたり、血糖値が急激に上がりにくいような食事内容にすることが重視されています。   心血管疾患 心血管疾患では、血圧のコントロールのために減塩食の指導がメインで行われますが、実は炭水化物の量と質も関連していることが臨床研究で明らかになりつつあります。糖質の摂りすぎは、2型糖尿病を増悪させてしまうので、その結果心血管疾患に繋がりやすくなります。また、心血管疾患では糖質制限は推奨されませんが、糖質の質に注目されています。白米や普通のパンなどの精製された穀類ではなく、玄米や全粒粉などの全粒穀類の摂取は、LDLコレステロールや血圧の低下に影響し、心血管疾患の死亡率低下につながる可能性が示唆されています。   がん インターネットなどで糖質が「がん細胞」のエサになるため、がんが増えるなどの文言を見ますが、こちらは正しくありません。糖質を摂ることががんに繋がるわけではありませんが、糖質の質ががんの予防に繋がる可能性はあります。全粒穀類の摂取により、様々ながんのリスクを低下させる可能性が複数の臨床研究から報告されています。そのため、糖質の質に着目することは重要であると言えるでしょう。   玄米の糖質...

玄米のカロリーは意外と高い?玄米のカロリーと健康に良いとされる理由について

ダイエットや筋トレをしている時の主食として推奨される玄米ですが、カロリーがどれくらいかご存じでしょうか?白米と比べると高い?低い?こちらの記事では、気になる玄米のカロリーについて紹介しています。   玄米のカロリー 玄米のカロリーは100gあたり346kcalです。炊飯後は、100gあたり152kcalで、お茶碗一杯分(150g)で228kcalです。そして、白米はのカロリーは100gあたり342kcalで、炊飯後は100gあたり156kcal、お茶碗一杯分(150g)234kcalになります。御覧の通り、実は玄米と白米はそんなにカロリーが変わりません。   玄米と白米のカロリーと三大栄養素の比較 カロリーを構成する栄養素は炭水化物・脂質・タンパク質の三大栄養素です。玄米と白米のカロリーと三大栄養素の内訳をみてみましょう。炊飯前の100gあたりで表示しています。タンパク質と脂質は玄米の方がやや多く、炭水化物は白米の方が多くなっています。   玄米 白米 エネルギー(kcal) 346 342 タンパク質(g) 6.8 6.1 脂質(g) 2.7 0.9 炭水化物(g) 74.3 77.6   他の炭水化物食品との比較 カロリーの違いについて、他の炭水化物食品もあわせてみてみましょう。100gあたりのカロリーを表示しています。カロリーだけで見ると、玄米や白米はスパゲティと同じくらいになっています。 玄米(めし):152kcal 白米(めし):156kcal 食パン:248kcal フランスパン:289kcal 全粒粉パン:251kcal...

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