玄米は痩せるのか?痩せる理由について徹底解説する

腹部

ダイエットでは食事の管理が非常に重要。体重を落とす食事内容としては、糖質制限やカロリー制限などがありますが、どちらも主食・主菜・副菜を揃えたバランスの良い内容にする必要があります。よくダイエット中の主食としておすすめされる玄米は本当に痩せるのでしょうか?こちらの記事では、玄米で痩せる理由とポイントを管理栄養士が徹底解説しています。

 

玄米とは

稲

まずは、玄米がどういうものであるのかを確認しておきましょう。お米のもとである稲の実は、胚乳と小さな芽と根がついた胚が「米ぬか」という皮で覆われており、米ぬかがさらに「もみがら」という皮で覆われた構造になっています。玄米とは、稲の実から「もみがら」のみを除いた状態のもののことを指します。

 

白米との違い

白米は玄米からさらに「米ぬか」と胚を取り除いたものです。白米は玄米よりも精製度が高いため、柔らかく、食べやすくなっています。その反面、栄養素も削ぎ落されているので食物繊維やビタミンB群などの栄養価が玄米に比べると劣ります。ダイエットに必要な栄養素も玄米の方が多く含んでいるため、ダイエット中の主食としておすすめされています。

 

玄米ダイエットで効果を実感するまでの期間

腹部

玄米をダイエットに取り入れた場合、どのくらいで効果を実感することができるのでしょうか?効果を実感するまでの期間をみていきましょう。

 

目安は2週間〜30日

効果を実感するまでの期間は個人差が大きいですが、2週間~30日が目安です。玄米はミネラルや食物繊維が豊富なので、便秘やむくみの解消にも役立ちます。便秘やむくみがある方は、早く効果を実感できるでしょう。体脂肪の減少としての効果を実感するには30日は見ておく必要があります。その理由としては、体脂肪1kgを減らすためには7200kcalを消費しないといけないためです。例えば、普段の主食が朝食パン5枚切り1枚+マーガリン、昼夕白米150gであったのを毎食玄米120gに変えた場合、1日約275kcal程度のカロリーを抑えることができるので、7200kcalを275kcalで割って26日ということになります。普段の食事量や運動量、玄米の食べ方にもよりますので、あくまでも目安としておさえておきましょう。

 

玄米で痩せる理由

疑問

玄米でダイエット効果を実感できることについて紹介しました。では、なぜ玄米で痩せることができるのでしょうか?玄米がダイエットに効果的である理由を解説していきます。

 

ダイエットに必要な栄養素が含まれている

まず1つ目の理由として、白米と比較すると玄米にはダイエットに必要な栄養素が豊富であることが挙げられます。具体的な栄養素は以下の通りです。

 

ビタミンB1

ビタミンB1は糖質からエネルギーを作る際に必要な栄養素です。例えば、糖質からエネルギーを作る際には、食べ物からグルコースという最も小さい糖の形にしたあと、さらに細胞内でエネルギー源として利用しやすい形に分解されます。エネルギー源として利用しやすい形になったものが、どんどん形を変えていき、最終的にエネルギーを作る場所に入ります。ビタミンB1は、最終的な場所に入るまでに必要な変換作業を補助する役割を持ちます。ビタミンB1は少量をたまに摂るだけで補うことができる栄養素なので、基本的に不足することはありませんが、高カロリーを摂取している時にビタミンB1が不足すると、乳酸が多く作られてしまうことがあります。

 

ビタミンB2

ビタミンB2もB1と同じく、エネルギー源として利用しやすい形に変換するのを補助する役割を持ちます。また、脂肪酸の代謝にも関わっています。そのため、欠乏すると成長抑制が引き起こされます。その他にも口内炎や舌炎、口角炎が引き起こされることもあります。

 

ビタミンB6

ビタミンB6はタンパク質のもとであるアミノ酸の代謝に関わります。また、酵素の働きもサポートするため、健康的な皮膚や骨、免疫系の維持などに役立ちます。ビタミンB6が不足すると、食欲不振やイライラ、口内炎、手足のしびれなどがあらわれます。タンパク質を多くとる人やアルコールを多く飲む人は不足しやすい栄養素なので、積極的な摂取が勧められています。

 

ビタミンB12

ビタミンB12もビタミンB6のようにアミノ酸の代謝を補助する栄養素です。そして、血液や神経細胞の健康を保ち、遺伝情報をもつDNAの生成を助けます。欠乏すると貧血や末梢神経障害などが起こります。

 

ナイアシン

ナイアシンは糖質の代謝、エネルギーの産生、DNAの状態維持などに関わっています。欠乏すると皮膚炎や下痢、精神神経症状が引き起こされます。

 

パントテン酸

パントテン酸も糖や脂質の代謝に関わっています。どんな食品にも含まれているものなので、欠乏することはほとんどありませんが、もしも欠乏すると食欲不振や疲労、不眠などが起こります。

 

葉酸

葉酸は赤血球の成熟などに関わっています。不足すると貧血が起こります。

 

ビオチン

ビオチンは糖・脂肪酸・アミノ酸の代謝に関わっており、エネルギーを作る手助けをします。また、皮膚や粘膜の健康維持にも関与しており、不足するとアトピー性皮膚炎や脱毛などの皮膚症状や食欲不振、うつ病などの症状が起きます。

 

カリウム

カリウムはからだの中の水分バランスを整えるのに必要な栄養素です。塩分を摂りすぎるとむくんだり、血圧があがってしまうので、バランスをとるためにカリウムは余分な塩分を追い出してむくみや血圧を改善する効果があります。また、神経の興奮の伝達や筋肉の収縮などにも関わっています。不足しても、摂りすぎても不調が起こります。むくみの改善はダイエットにとても重要です。

 

マグネシウム

糖質や脂肪酸の代謝を助ける酵素に必要な栄養素です。長期的なマグネシウムの不足は骨粗鬆症や糖尿病、心疾患などの生活習慣病の発症リスクを高めることが示唆されています。また、通常の食事から過剰症になることはありませんが、サプリメントなどで摂りすぎてしまうと下痢を引き起こします。

 

鉄は血液の成分となり、全身への酸素運搬の役割を担っています。また、エネルギーの産生にも関わっています。ダイエット中では筋トレや有酸素運動によりたくさんの筋肉を使うために、血液とエネルギーが必要です。鉄が欠乏すると貧血や運動機能、認知機能の低下を招きます。特に女性は、ダイエット中に減りやすい栄養素です。

 

上記のように、からだを動かしたり、筋肉を作ったりするために必要な栄養素が玄米には含まれています。また、むくみの改善にも役立つ栄養素も含んでいるため、玄米はダイエットに必要な栄養素を含んでいると言えます。

 

低GI食品である

玄米は低GI食品という分類にあたります。GIとはGlycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後の血糖値の上昇を示す指標のことです。食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖の量を測って指標にしています。血糖値の上昇が急激なものほどGI値が高く、緩やかなものほど低くなります。血糖値が急激に高くなるほど、インスリンというホルモンが分泌されて脂肪の合成が促進されます。玄米は低GI食品であり、食後の血糖値の上昇が緩やかなので、インスリンの過剰な分泌を防ぐことができ、太りにくくなっています。

 

食物繊維が白米の6倍含まれている

食物繊維は100gあたり白米に0.5g、玄米に3.0g含まれており、玄米は白米の6倍もの食物繊維を含んでいます。食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と、溶けにくい難消化性の食物繊維があります。水溶性食物繊維は、小腸での栄養素の吸収を穏やかにし、食後の血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを吸着させて血液中のコレステロール値を下げたりしてくれる効果があります。難消化性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やし、大腸を刺激することで排便を促してくれます。どちらの食物繊維も大腸で腸内細菌のエサとなり、善玉の腸内細菌を増やすため、腸内環境の改善に役立ちます。便秘の解消や血糖値の上昇を抑制するなど、ダイエットに嬉しい効果のある食物繊維が多く含まれていることも、痩せる理由です。

 

噛む回数が増える

玄米は白米にさらに殻がついている状態なので、白米と比較すると炊飯後も硬めの歯ごたえとなります。そのため、自然と嚙む回数が増えることで満腹中枢が刺激されて満腹感が得やすくなり、食べ過ぎを防ぐことができます。

 

コスパが良いので続けやすい

値段自体は白米よりやや高めの玄米ですが、大きく値段は変わりません。噛む回数が増えて満腹感が得やすい分、量を減らすことができ、からだに必要な栄養素を多くとることができるので、白米よりもコスパの良い主食であると言えるでしょう。ダイエットの基本は継続することなので、コスパが良いというのも痩せやすい理由の1つになります。

 

玄米ダイエットによる嬉しい効果

雑穀

玄米を主食に替えるダイエットでは、どのような嬉しい効果が得られるのでしょうか?期待できる、具体的な効果について確認していきましょう

 

急な血糖値の上昇を抑える

低GI食品のため、急激な血糖値の上昇を抑えることができます。急激な血糖値の上昇は肥満になりやすいだけでなく、2型糖尿病になりやすかったり、血管を傷つけてしまうので動脈硬化やさらには心疾患など様々な病気のリスクを高めてしまいます。玄米は太りにくさに加えて、生活習慣病の予防にも役立ちます。

 

糖質や脂質の代謝をサポートする栄養素を補える

玄米には糖質や脂質をエネルギー源として使えるようにするために必要な栄養素を多く含んでいます。特にダイエットや筋トレ中は不足しやすくなっているため、玄米から補えるのは嬉しいポイントです。

 

疲労回復

ダイエット中は食事制限をしているのに活動量が多いので、糖質やビタミンB群などのたくさんの栄養素が消費されて疲れやすくなってしまいます。玄米にはエネルギーを作るために必要な栄養がすべて補えるので、疲労回復もしやすくなります。

 

便秘・肌荒れが解消される

食事制限中では、食事量の減少や偏り、食物繊維摂取量の減少などにより、便秘や肌荒れになりやすくなります。玄米に含まれる食物繊維が大腸を刺激して排便を促したり、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整えてくれるため、便秘や肌荒れの改善につながります。

 

顔のシェイプアップ

白米と比較すると玄米は硬めであることから、嚙む回数が増えることで顎下周りのシェイプアップが期待できます。そのため、体調や健康面だけでなく、お顔まわりの脂肪が気になる方にもおすすめです。

 

玄米ダイエットで痩せない理由

疑問

玄米を食べているのに痩せないという方もたまにいらっしゃいます。玄米には痩せる要素がたくさんあるのに、なぜ効果が出る人と出ない人がいるのでしょうか?玄米ダイエットで痩せない理由をみていきましょう。

 

食べ過ぎている

よくある理由が、食べ過ぎているという理由です。玄米を食べるだけで痩せると思い、お菓子やおかずを食べ過ぎている人をみかけます。また、玄米は健康的=カロリーが低いと思い、玄米をたくさん食べている方もいらっしゃいます。カロリー自体は白米と変わらないので、食べすぎには注意が必要です。

 

よく噛んでいない

よく噛まないことは血糖値の急激な上昇や、満腹感の得にくさによる食べ過ぎにつながります。主食が玄米であるかどうかに関わらず、よく噛まずに食べる人は太ってしまいやすい傾向があります。玄米を食べればダイエットできるわけではないため、食べ方にも注意が必要です。

 

継続できていない

たまに主食を玄米に替えている場合は、玄米の効果が得にくいです。特に、パンやパスタなどが中心で、たまに玄米という方法では効果はあまり期待できないでしょう。玄米ダイエットで痩せないと感じている方は、部分的に取り入れて、短期間で実践していないか今一度確認してみてください。

 

食事のバランスが悪い

主食に偏っていたり、主菜が多い場合は、思っているよりカロリーを多くとっているという事態になりやすいため、痩せにくいです。特に、タンパク質を摂ろうと思ってや糖質を控えようとして主菜の割合が増えている場合は、脂質も多くとることになります。その場合は、主菜だけでなく副菜の野菜の摂取量を増やしたり、動物性のタンパク質ではなく豆腐などの植物性のタンパク質に変更すると良いでしょう。

 

玄米ダイエットを成功させるポイント

ダイエット

メリットだけでなく、注意点も多い「玄米ダイエット」ですが、どのように実践すると効果的なのでしょうか?玄米ダイエットを成功させるためのポイントについて確認しておきましょう。

 

主食・主菜・副菜を揃えてバランス良く

まず、大前提として主食・主菜・副菜を揃えてバランスよく食べましょう。この3つを意識すると、食事の偏りが起こりにくくなります。玄米はお茶碗軽く1杯を目安に、足りない分は副菜を増やしたり、植物性のタンパク質を増やしてみましょう。

 

よく噛んで食べる

玄米ダイエットを行うなら、よく噛んで食べることを意識しましょう。目安として、1食15分以上を目標にしてください。どうしても早くなる場合は、箸をおいて休憩しながら食べるなどの工夫をすると良いでしょう。

 

継続する

なるべく毎日主食を玄米にし、継続して食べ続けるようにしましょう。毎日玄米で慣れない場合は、最初に白米と混ぜて食べるなど、徐々に慣れていくような工夫が必要です。効果を得るための目安としては、最低でも2週間は続けることが理想であるため、1日や2日と短期間で終わらせないようにしましょう。

 

まとめ

玄米を用いたダイエットについて紹介しました。玄米にはダイエットに必要な栄養素が豊富に含まれており、メリットがたくさんあります。上手に用いることで、ダイエットの効果を高めるサポートをしてくれます。ダイエットの方は、取り入れてみてはいかがでしょうか?

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