白米のカロリーはどれくらい?他の炭水化物と比較して太りやすい?

白米

近年、「白米は太る」などの話を耳にすることがありますが、これは本当なのでしょうか?日本では主食の白米ですが、ダイエットを考えるとどのくらいなら食べて良いのか、代わりの主食を考えた方が良いのか悩む人もいるのではないでしょうか。こちらの記事では白米のカロリーについて紹介し、他の炭水化物食品と比較しても太りやすいのかについて解説しています。こちらの記事を参考に、正しい知識を健康に生かしましょう。


白米のカロリー

白米

まずは早速白米のカロリーをみていきましょう。日本食品標準成分表2020年版によると、白米のカロリーは100gあたり342kcalです。炊飯後は156kcaになります。100gあたりで聞くと少しわかりにくいかもしれません。実際に食べる場合のカロリーもみていきましょう。


お茶碗1杯分のカロリー

白米のお茶碗一杯分は、普通のご飯茶碗であれば普通に盛った場合、150g程度になります。白米の100gが156kcalなので、お茶碗一杯分で234kcalということになります。白米を主食にしている場合は、1食1杯で約234kcalということを覚えておきましょう。


丼1杯分のカロリー

丼の場合は、200g程度のご飯が入っています。そのため、丼1杯分の白米のカロリーは312kcalになります。細かいカロリーを覚えるのは大変です。日本の糖尿病学会が発行している糖尿病食事療法交換表では1単位を80kcalとし、白米80gを1単位としています。ごはん茶碗1杯分150gは約50g×3単位なので約160cal、丼茶碗1杯分200gは約80g×4は約320kcalになります。こちらを覚えておくと、白米の計算が簡単になります。


他の炭水化物のカロリー

玄米・白米

白米は日本人の一般的な主食です。他にも主食として食べられている炭水化物食品のカロリーはどれくらいなのか、比較してみましょう。下記で説明する各食材のカロリーは、日本食品標準成分表2020年版をもとに、全て100gあたりで記載しています。


ご飯類

まずは、もっとも一般的な主食であるご飯類のカロリーです。

  • 玄米(めし):152kcal
  • 白米(めし):156kcal

白米と玄米ではカロリーはほとんど変わりません、また、最近白米に混ぜることの多いもち麦や雑穀などを加えてもカロリーはあまり変わりません。カロリーはほとんど同じですが、食物繊維やビタミン類を白米よりも多くとれるため、玄米やもち麦、雑穀米が近年では注目を集めてます。


麺類

次に、麺類をみていきましょう。

  • うどん(ゆで):95kcal
  • 中華麺(ゆで):133kcal
  • そうめん(ゆで):144kcal
  • スパゲティ(ゆで):150kcal

例に挙げた中では、うどんがもっともカロリーが低くなっています。うどんは小麦と塩、水分で作られますが、中華麺やスパゲティでは麺に油が含まれているためカロリーが高くなっています。また、そうめんもうどんと比較するとカロリーが高くなっています。こちらはゆでたあとの重量に対するカロリーであり、うどんの方が水分を多く含んでいるため、そうめんの方がカロリーが高くなっています。


パン類

最後にパン類のカロリーを紹介します。

  • 食パン:248kcal
  • フランスパン:289kcal
  • 全粒粉パン:251kcal

パン類は記事にバターなどの油が含まれているので、主食の中でもカロリーが高くなっています。白米と玄米でカロリーに差異がないように、全粒粉を使ったパンでも普通の小麦を使用したパンとカロリーにほとんど差はありません。


白米とその他の炭水化物の栄養組成

白米

白米を含む炭水化物食品にはカロリーを構成する栄養素以外も含まれています。どのようなものが含まれているのか確認してみましょう。


主に含まれる栄養素

炭水化物食品に主に含まれる食品は糖質です。糖質を主体に構成されており、その他にカロリーを含む栄養素として脂質やたんぱく質も少し含まれています。糖質、脂質、たんぱく質は三大栄養素と呼ばれ、それぞれからだへのはたらきが異なります。それぞれの役割もみてみましょう。


・糖質

糖質はわたしたちが動くために必要なエネルギーとなる栄養素です。からだのなかで分解、吸収され、血液中に血糖として流れます。インスリンというホルモンが血糖を細胞の中に取り込むことで、エネルギー源として使われます。


・脂質

脂質は糖質が枯渇した場合の、非常時用のエネルギー源です。そのため、三大栄養素のなかで最もカロリーが高くなっています。また、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKといった脂溶性(油に溶ける)ビタミンの吸収にも必要な栄養素で、脂質の摂取が足りないとこれらのビタミン不足が起こったり、肌の乾燥などが起こります。ただし、脂質は肉類や魚類などの食品に多く含まれているため、油として無理に摂取する必要はありません。


・たんぱく質

たんぱく質は筋肉や血をつくるもととなる栄養素です。たんぱく質を摂取することは筋肉量低下の防止、体内時計の調整、睡眠の質の向上につながります。


白米が太りやすいと言われる理由

腹部

色々な主食と比較しても白米は特段にカロリーが高いわけではありませんでした。それでもなぜ、白米は太りやすいと言われるのでしょうか?白米が太りやすいと言われる主な理由2つについて、実際の数値に基づいて解説します。

  1. ほとんどが糖質でできている
  2. 血糖値が急激に上昇しやすい

1.ほとんどが糖質でできている

白米は糖質を主な栄養素として構成されています。わかりやすいように玄米と比較してみましょう。


 
玄米
白米
エネルギー(kcal)
346
342
タンパク質(g)
6.8
6.1
脂質(g)
2.7 0.9
炭水化物(g)
74.3 77.6
ナトリウム(mg)
1 1
カリウム(mg)
230 89
カルシウム(mg) 9 5
マグネシウム(mg) 110 23
リン(mg) 290 95
鉄(mg) 2.1 0.8
亜鉛(mg) 1.8 1.4
銅(mg) 0.27 0.22
マンガン(mg) 2.06 0.81
セレン(μg) 3 2
ビタミンE(mg) 1.4 0.1
ビタミンB1(mg) 0.41 0.08
ビタミンB2(mg) 0.04 0.02
ナイアシン当量(mg) 8.0 1.2
ビタミンB6(mg) 0.45 0.12
葉酸(μg) 27 12
パントテン酸(mg) 1.37 0.66
ビオチン(μg) 6.0 1.4
食物繊維(g) 3.0 1.0

 (100gあたり)
日本食品標準成分表2020年版より

カロリーとしては玄米と白米の相違は小さいですが、栄養組成をみると炭水化物は白米の方が多く、その他の栄養素は少なくなっています。カロリーは同じくらいでも炭水化物の量が多いとなぜより太りやすいかは下記の通りです。


2.血糖値が急激に上昇しやすい

図1 三大栄養素と血糖値

図

食べ物と栄養, 大阪医療センター

https://osaka.hosp.go.jp/department/nss/sidou/kabocount/eiyou/index.html


炭水化物を単体で食べた場合は100%が血糖に変わり、食後すぐに血糖値が急激に上昇して1間くらいでピークが来ます。たんぱく質を単体で食べた場合は50%くらいが血糖に変わり、食後3時間くらいをピークにゆっくり血糖値が上昇します。そして、脂質だけの場合は10%くらいが血糖に変わり、食後6~12時間頃にじわじわ上昇します。白米は主に糖質から構成されており、食物繊維もほとんど含まないため、白米だけで食べた場合は炭水化物単体と同じような血糖値の上がり方になってしまいます。血液中のブドウ糖が多い(血糖値が高い)と血管を傷つけてしまうため、ブドウ糖を減らすために細胞に取り込まなければいけません。細胞に糖を取り込む役割を担うのがインスリンというホルモンです。インスリンは細胞に糖を取り込んで血糖値を下げる以外にも、筋肉の合成や脂肪の合成を行います。血糖値が急激に上昇すると、その分大量にインスリンが分泌されるため、脂肪の合成量も増えて太ってしまいます。

 

太りにくい炭水化物食品

定食

炭水化物食品は主に糖質から構成されているため、血糖値が急激に上がりやすく脂肪が増えやすいことがわかりました。しかし、わたしたちが生きていくためには糖質は欠かせません。こちらでは太りにくい炭水化物食品について紹介します。


玄米

まず一つ目は玄米です。玄米も白米と同じように糖質を主な栄養素として構成されていますが、白米と比較して食物繊維を多く含んでいます。そのため、玄米は低GI食品に分類され、血糖値の上がり方が緩やかな食品となっています。血糖値の急激な上昇が起こりにくい分、インスリンの分泌量も抑えられるので太りにくい食品です。


全粒粉のパンや麺類

玄米の他にも全粒粉の小麦から作られているパンや麺類も太りにくい炭水化物食品です。全粒粉の小麦は、白米と玄米の違いと同様に、精製度合いが低いので小麦本来がもつ栄養素をほとんどそのまま含んでおり、食物繊維も豊富です。食物繊維は糖質の吸収を抑え、血糖値の急激な上昇を防ぐ役割があります。そのため、全粒粉からできているパンや麺類も太りにくい炭水化物食品と言えます。


太りにくい炭水化物の注意点とは

玄米や全粒粉食品がいくら血糖値の上がり方が緩やかとは言え、カロリーは白米と同様にあります。カロリーの過剰摂取は脂肪の蓄積に繋がるので、適量を心がけて食べ過ぎないようにしましょう。


太りにくい炭水化物食品の食べ方

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最後に、炭水化物食品の太りにくい食べ方について紹介します。玄米や全粒粉食品、白米に関わらず実践することをおすすめします。

  1. 炭水化物食品のみで食べない
  2. 野菜から食べる
  3. ゆっくり、よく噛んで食べる
  4. 玄米や全粒粉を主に食べる

1.炭水化物食品のみで食べない

まず1つ目は、炭水化物食品のみで食べないということです。炭水化物食品のみで食べると、たんぱく質や脂質、食物繊維を含む食品と一緒に食べた場合と比べて血糖値が急激に上昇します(図1参照)。炭水化物食品のみで食べるというのは、例えばおにぎりだけ、おにぎりと菓子パン、うどんのみ、丼物のみ、などの食べ方です。意外とこのような食べ方をしている時があるのではないでしょうか?1日3回、毎食主食・主菜・副菜を揃えたバランスの良い食事を意識しましょう。外食は単品物は避けて定食にしたり、コンビニはおにぎりと野菜を含むおかずにすることが望ましいです。炭水化物食品のみで食べる時があるのは仕方ないですが、そのような日が続かないように心がけることが大切です。バランスよく食べることは、糖質の摂りすぎ防止にも繋がります。


2.野菜から食べる

2つ目は野菜から食べるということです。食べる順番が大切というのは聞いたことがあるかもしれません。野菜を先に食べることで、野菜に含まれる食物繊維がその後に食べた糖質は脂質の吸収を抑えてくれます。もちろん、全ての吸収を抑えるわけではありませんが、血糖値の急激な上昇を抑えるのに役立ちます。毎回の食事に野菜を加え、先に食べることを心がけましょう。野菜から先に食べることで満腹感が得られ、食べ過ぎの防止にも繋がります。


3.ゆっくり、よく噛んで食べる

3つ目はゆっくりよく噛んで食べるということです。あまり噛まずに食べると満腹感が得にくいため、食べすぎてしまうことがあります。ゆっくりよく噛んで食べ、満腹感が得られるようにしましょう。また、時間をかけて食べることは血糖値のゆるやかな上昇にも効果的です。


4.玄米や全粒粉を主に食べる

最後は、主食を玄米や全粒粉の食品に変えることです。玄米や全粒粉の食品であれば、血糖値の上がり方が穏やかであるため、おにぎりのみ、パンのみになったとしても、急激な上昇を防ぎやすくなります。また、玄米や全粒粉の食品は、白米や普通のパンと比較して硬めなので自然と噛む回数が増え、食べ過ぎを防ぎやすくもなります。


まとめ

玄米

こちらの記事では、白米のカロリーを中心に、炭水化物食品の太りにくい食べ方についても紹介しました。白米は他の炭水化物食品と比較してカロリーが高いということはありませんが、血糖値が急激に上昇しやすいため、食べ方を工夫したり、玄米に置き換えたりすることが望ましいです。この記事を参考に、ご自身に合った食べ方を検討してみてください。

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