玄米と白米はどう違う?玄米とその他のお米の違いを徹底解説

玄米

日本人の主食と言えばごはん。代表的なごはんとしては白米と玄米がありますが、同じお米でもどう違うのでしょうか?本記事では、玄米と白米の違いと、さらにその他のお米との違いも徹底的に解説しています。これを読めば、主食選びで迷わなくても良くなることでしょう。

 

玄米と白米の違いとは

 白米

まずは代表的なごはんである玄米と白米の違いをみていきましょう。この2つは同じ稲の実なのですが、精米具合が異なります。稲の実は胚乳と小さな芽と根がついた胚が「米ぬか」という皮で覆われており、米ぬかをさらに「もみがら」という皮で覆った構造になっています。これらのもみがらや米ぬか、胚をどの程度除いて精製するかによってお米の種類が異なります。

 

精米具合別にみたお米の種類

お米は精米具合によって、その種類が異なります。白米と玄米以外にもどのようなものがあるのか確認してみましょう。

・玄米

玄米とは、稲の実から一番外側の皮であるもみがらのみを除いたものです。精製度合が最も低いので、その分栄養価は高いままになっています。胚乳と胚を覆っている米ぬかはそのまま残っているので、白米と比較すると硬さやボソボソ感があり、初めて食べる人には食べにくい場合もあります。

・3分づき(3分精米)

玄米から3割ほど米ぬかを除いたものです。玄米に近いですが、米ぬかが減っている分、食べにくさも軽減されています。

・5分づき(5分精米)

    3分づきよりさらに米ぬかが減って、白っぽさが出ています。胚の芽は残っています。風味もあります。

    ・7分づき(7分精米)

      米ぬかがほとんどなくなり、胚芽が少し失われていています。白米に近い食感で食べやすいです。

      ・白米

      米ぬかと胚芽がなくなっています。一般的に食べられている白いお米です。

       

      精米具合で変わる栄養素とその割合

       精米

      精米具合により含まれている栄養素の量も異なってきます。玄米が最も各栄養素の含有量が多く、白米に近づくほど少なくなります。まずは、どのような栄養素が含まれているかを紹介します。

       

      含まれる栄養素

      玄米には次の栄養素が多く含まれています。それぞれの栄養素がどのようなものか、また玄米にどれくらい含まれているのか確認していきましょう。

       

      ビタミン

      玄米はビタミンの中でも、特にビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は、栄養素をからだの中で代謝する(利用できる形にする)ために必要な栄養素です。例えば、糖質からからだを動かすためのエネルギーを作る際にはビタミンB1やB2、ナイアシン、パントテン酸が必要です。中性脂肪を分解して脂肪酸をエネルギーとして消費するためにはビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸が、タンパク質の代謝にはビタミンB2やビタミンB6が使われます。特に筋トレやダイエットをされている方はビタミンB群の消費量が多いので、主食に玄米が推奨されることが多いです。

       

      ミネラル

      玄米には、カリウムや鉄、マグネシウムなどのミネラルも多く含まれています。カリウムは、細胞内の水分量のバランスを一定に保つ働きがあります。塩分を摂りすぎた場合にむくむのを防ぐのに役立ちます。また、神経伝達や筋肉の収縮にも関わっている、人間のからだの機能の維持にとても重要な栄養素です。不足すると、脱力感、食欲不振、筋無力症、精神障害、不整脈などが現れることがあります。大量に摂取した場合でも、腎機能に問題のない方であれば、体内の調節機能が働くので不調が起こることは稀であると言われています。鉄は主に全身に酸素を届ける役割があります。マグネシウムはからだの様々な機能をサポートする役割があり、エネルギーの産生や栄養素の生合成・分解、遺伝情報の伝達、神経伝達、筋収縮の制御、血圧の低下作用、血栓を作りにくくするなどの働きをします。これらのようなからだに重要な働きをするミネラルも、玄米には多く含まれています。

       

      食物繊維

      食物繊維は水に溶けやすい水溶性食物繊維と、溶けにくい難消化性の食物繊維があります。水溶性食物繊維は、小腸での栄養素の吸収を穏やかにし、食後の血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを吸着させて血液中のコレステロール値を下げたりしてくれる効果があります。難消化性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やし、大腸を刺激することで排便を促してくれます。どちらの食物繊維も大腸で腸内細菌のエサとなり、善玉の腸内細菌を増やすため、腸内環境の改善に役立ちます。これらの役割から、生活習慣病の発症や乳がん、胃がん、大腸がんの発症リスクの低下に役立つとの報告が多くあります。日本人の食事摂取基準では、1日の食物繊維の目標量は20g程度とされてます。意識して摂取しないと到達が難しい量なので、主食からも食物繊維を摂ることができれば目標量に到達しやすくなります。

       

      炭水化物

      お米は主に炭水化物からできています。炭水化物は糖質と食物繊維から構成されます。食物繊維は前述の通りです。糖質は三大栄養素の一つで、私たちが動くためのエネルギー源となります。また、糖質を摂ることにより血糖値を上げ、インスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンには筋肉や脂肪の合成という役割もあるので、糖質はエネルギー源となる以外にも、からだを構成するのにとても重要な栄養素です。不足すると脂肪だけでなく筋肉も分解されてしまうので、ダイエット中であっても長期的な糖質の極端な制限は推奨されません。

       

      精米度と各栄養素の含有量

      玄米には先ほど紹介した栄養素が豊富に含まれていますが、精米度合が上がるほど含有量は減っていきます。具体的な量は以下の表の通りです。

        玄米 5分つき 7分つき 白米
      エネルギー(kcal) 346 345 348 342
      タンパク質(g) 6.8 6.5 6.8 6.1
      脂質(g) 2.7 1.8 1.5 0.9
      炭水化物(g) 74.3 75.5 76.9 77.6
      ナトリウム(mg) 1 1 1 1
      カリウム(mg) 230 150 120 89
      カルシウム(mg) 9 7 6 5
      マグネシウム(mg) 110 64 45 23
      リン(mg) 290 210 180 95
      鉄(mg) 2.1 1.5 1.3 0.8
      亜鉛(mg) 1.8 1.6 1.5 1.4
      銅(mg) 0.27 0.24 0.23 0.22
      マンガン(mg) 2.06 1.40 1.05 0.81
      セレン(μg) 3 2 2 2
      ビタミンE(mg) 1.4 0.9 0.5 0.1
      ビタミンB1(mg) 0.41 0.30 0.24 0.08
      ビタミンB2(mg) 0.04 0.03 0.03 0.02
      ナイアシン当量(mg) 8.0 5.1 3.2 1.2
      ビタミンB6(mg) 0.45 0.28 0.20 0.12
      葉酸(μg) 27 18 15 12
      パントテン酸(mg) 1.37 1.00 0.84 0.66
      ビオチン(μg) 6.0 3.5 2.9 1.4
      食物繊維(g) 3.0 1.4 0.9 0.5

       (100gあたり)
      日本食品標準成分表2020年版より

      100gあたりの糖質とカロリー量

      100gあたりの糖質量は、文部科学省HPに掲載されている日本食品標準成分表2020年版によると玄米で78.4g、5分つきで81.5g、7分つきで83.3g、白米で83.1gです。カロリーは上に示した表のエネルギーの項目の通りです。一見、玄米が白米よりカロリーが高くて驚かれるかもしれませんが、玄米は食物繊維が多く、食品標準成分表では食物繊維分のカロリーまで詳細に計算されているため、若干カロリーが高くなっています。一方で、糖質量は玄米が一番少なくなっています。糖質が少なく食物繊維が多いため、ダイエットや筋トレをされている方の主食に玄米がおすすめされることが多くなっています。

       

      玄米・白米以外のお米の種類と特徴

      玄米と白米以外にもお米の種類があります。近年の健康ブームにより、見かけることがおおくなったものもあると思います。玄米、白米以外のお米についても解説します。

       

      胚芽玄米

      胚芽玄米は、玄米の胚芽が8割以上残るようにぬかを特殊な技術で削り取っているお米です。3分つきや5分つきのお米とは異なります。ぬかを削り取っている分、栄養価は玄米には劣りますが、胚芽がほとんど残っているので、白米よりは栄養価が高くなっています。玄米の味が苦手な人でも食べやすいお米です。

       

      発芽玄米

      発芽玄米は、玄米にわずかに水を加えて醗酵させたお米です。醗酵させることで、玄米に含まれている酵素が作用を発揮し、玄米とは栄養価が変わります。栄養価が高くなるものや、低くなるものがあります。水を加えて醗酵させているので、玄米よりやわらかくなっています。

       

      雑穀米

      雑穀米は、お米に雑穀を混ぜたものです。雑穀とは、米、麦、トウモロコシの主要穀類以外のことを指します。一般的に雑穀米にブレンドされているものには、アワ、黒米、黒豆、キヌア、小豆、黒ごま、白ごま、大麦、はとむぎなどがあります。

       

      麦ごはん

      麦ごはんはお米に大麦を混ぜたごはんです。耳にすることが多いもち麦ごはんも、麦ごはんに入ります。

      これらのお米はカロリー自体は玄米と同じく大きくは変わりません。しかし、玄米のように栄養価は白米より高く、食物繊維も多くなっているので糖質量が少なくなっているので健康に良いと言われています。

       

      効果や身体に合わせたお米の選び方

      玄米と白米 

      様々なお米の種類について解説しました。ここからは、効果やからだに合わせたお米の選び方について紹介します。

       

      ダイエットに必要な栄養素が欲しい

      ダイエットに必要な栄養素が欲しい場合は、玄米が一番おすすめです。玄米はお米の原型であるため、含まれている栄養素の量も最も多くなっています。玄米が苦手な人は、発芽玄米や胚芽玄米、雑穀米でも良いと思います。玄米は他のお米よりも硬めなので、噛む回数が増える分、満腹感も得やすいので、栄養素以外の部分でもダイエットにおすすめです。

       

      血糖値を改善したい

      血糖値を改善したい場合、糖質の量を下げるのと、よく噛んで食べて食べ過ぎを防ぐこと、食物繊維を多くとって吸収を穏やかにする必要があります。そのため、ダイエットと同じように玄米と白米以外のお米がおすすめです。

       

      便秘を改善したい

      便秘の改善には食物繊維と水分を多くとることが有効です。こちらも玄米と白米以外のお米がおすすめです。玄米が一番おすすめですが、苦手な場合はその他のお米を試してみると良いでしょう。

       

      体調が悪い、胃腸が弱っている

      体調が悪い場合は消化に良いものを選びましょう。白米やもち麦のようなやわらかいお米、もしくはお粥にすることがおすすめです。

       

      お米の種類別に合わせたおすすめの炊き方

      お米の種類によって、美味しく食べるための炊き方は異なります。玄米を美味しく食べるにはどのような炊き方がおすすめなのか、種類別に合わせた炊き方をご紹介します。

       

      玄米と3~7分精米

      精米具合によって水分量と浸水時間が異なります。その他の手順は共通しているので、併せて紹介します。

      水分量:1合に対し、玄米は300cc、3分精米は200㏄、5分精米は170㏄、7分精米は150㏄
      浸水時間:玄米は6時間以上、3分精米は4時間以上、5分精米は2時間以上、7分精米は1時間以上

      1. 3分くらいでぬかの臭みがお米につかないよう、手短に洗います。
      2. 上記の水分量と浸水時間を参考に浸水させます。この時、1合に対して小さじ1/4程度の塩を入れると美味しくなります。
      3. 炊く前に水を入れ替えます。
      4. 炊飯器のモードを設定して炊飯してください。

       

      玄米と白米を混ぜて炊く

      玄米と白米を混ぜて炊く場合は玄米1:白米2の割合がおすすめです。普通の白米を炊く時と同じ要領で洗い、炊飯器の目盛+2㎜くらいまで水を入れます。浸水時間は1時間以上置き、普通の白米モードで炊いてください。

       

      雑穀米と麦ごはん

      雑穀米と麦ごはんを炊く場合は、普通の白米の白米と同じで大丈夫です。洗って炊飯器の目盛まで水を入れた後、商品のパッケージに書かれている雑穀またはもち麦と水を入れた後、白米モードで炊きましょう。

       

      まとめ

      以上、玄米と白米のちがいを中心に、その他のお米との違いについても紹介しました。玄米は含まれている栄養素の種類と量が多く、ダイエットや筋トレ、健康に役立つお米です。普段の主食を玄米に変えることで、効率よく食事の質を高めることができます。この記事を参考に玄米を取り入れてみてはいかがでしょうか?

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