玄米菜食とは?期待できるメリットや効果的な方法について解説する

玄米

皆さんは「玄米菜食」という食事をご存じでしょうか?動物性の食品を避けている方は聞いたことがあるかもしれません。こちらの記事では、玄米菜食について、メリットや効果的な方法と合わせて解説しています。ヴィーガン食に興味のある方は参考にしてみてください。

 

玄米菜食とは?

玄米食

まず、そもそも玄米菜食とはどのような食事なのでしょうか?玄米菜食とは、肉、魚、卵、乳製品などの動物からつくられる食品の摂取を避け、野菜と玄米などの精製されていない食品を中心とした食事のことをいいます。最近は「ヴィーガン食」や「ベジタリアン食」という言葉を耳にする機会が増えましたが、玄米菜食はそれらの仲間になります。

 

ヴィーガン食

ヴィーガン食とは肉、魚、卵、乳製品を食べず、野菜を中心とした完全な菜食のことをさします。油やたんぱく質も植物性の食品から摂ります。

 

ロー・ヴィーガン食

ローヴィーガン食はヴィーガン食と同じように動物性の食品を一切使わない食事、かつ「生」の野菜と果物のみからなる食事です。

 

ベジタリアン食

ベジタリアン食はヴィーガン食と近い食事ですが、卵や乳製品は使用できる食事です。

 

玄米菜食が通常の菜食よりもおすすめの理由

玄米ご飯

玄米菜食は、ヴィーガン食やベジタリアン食などの普通の菜食よりおすすめと言えます。推奨される理由としては、主に以下の2点です。

  1. 血糖値が上がりにくい
  2. バランスよく栄養素が摂れる

実際に得られる具体的な栄養素を踏まえて、その理由について確認していきましょう。

 

1.血糖値が上がりにくい

玄米菜食は精製されていない食品を中心としています。精製されていない食品は低GI食品に分類されることが多く、血糖値が上がりにくいというメリットがあります。食べたものの糖質が分解されるとブドウ糖となり、小腸で吸収されて血液中にいきわたります。血液中のブドウ糖が多い(血糖値が高い)と血管を傷つけてしまうため、さまざまな疾患を引き起こすリスクが高まります。玄米菜食では血糖値が上がりにくいため、健康の維持につながります。

 

2.バランスよく栄養素が摂れる

精製されていない食品は精製されている食品と比較し、多くの栄養素が多く含まれています。例えば、玄米と白米を比較してみましょう。

  玄米 白米
エネルギー(kcal) 346 342
タンパク質(g)
6.8 6.1
脂質(g) 2.7 0.9
炭水化物(g) 74.3 77.6
ナトリウム(mg) 1 1
カリウム(mg) 230 89
カルシウム(mg) 9 5
マグネシウム(mg) 110 23
リン(mg) 290 95
鉄(mg) 2.1 0.8
亜鉛(mg) 1.8 1.4
銅(mg) 0.27 0.22
マンガン(mg) 2.06 0.81
セレン(μg) 3 2
ビタミンE(mg) 1.4 0.1
ビタミンB1(mg) 0.41 0.08
ビタミンB2(mg) 0.04 0.02
ナイアシン当量(mg)
8.0 1.2
ビタミンB6(mg) 0.45 0.12
葉酸(μg) 27 12
パントテン酸(mg) 1.37 0.66
ビオチン(μg) 6.0 1.4
食物繊維(g) 3.0 1.0

 (100gあたり)
日本食品標準成分表2020年版より

玄米の方が白米よりビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれていることがわかります。精製されることで栄養を含む部分が削りとられてしまうため、玄米などの精製されていない食品の方がバランスよく栄養素を摂取することができます。

 

玄米菜食のメリットとは

腹部

上記では、菜食の中でも玄米菜食を推奨する理由について説明しましたが、実際に食べ続けるメリットも豊富にあります。主に期待できるメリットについては、以下の4つが挙げられます。

  1. 便通が改善する
  2. 腸内環境が改善する
  3. 肌質が改善する
  4. 痩せやすくなる 

それぞれのメリットの詳細について、以下で確認していきましょう。

 

1.便通が改善する

玄米菜食では通常の菜食よりも多くの食物繊維を摂取することができます。難消化性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やし、大腸を刺激することで排便を促してくれます。便秘は大腸がんなど病気のリスクを高めるとされており、便通を改善することは日々の不調を改善するだけでなく、将来の健康の維持にもつながります。

 

2.腸内環境が改善する

食物繊維は大腸で腸内細菌のエサとなり、善玉の腸内細菌を増やすため、腸内環境の改善に役立ちます。これらの役割から、生活習慣病の発症や乳がん、胃がん、大腸がんの発症リスクの低下に役立つとの報告が多くあります。

 

3.肌質が改善する

玄米菜食は通常の菜食よりもビタミンなどの栄養素を多く摂取することができ、腸内環境も改善されることから肌質の改善がされます。

 

4.痩せやすくなる

水溶性食物繊維は、小腸での栄養素の吸収を穏やかにし、食後の血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを吸着させて血液中のコレステロール値を下げたりしてくれる効果があります。血糖値の上昇や脂質の吸収を抑制してくれるので、痩せやすくなります。

 

玄米菜食の注意点とは

!

メリットの多い玄米菜食ですが、実際に行っていくうえでは注意点もあります。主に挙げられる注意点としては、以下の3つです。

  1. カロリーが不足しやすい
  2. タンパク質が不足しやすい
  3. 消化不良を起こす可能性 

玄米菜食は、注意点をしっかり念頭に置いたうえで取り入れなければ、かえって健康や生活に悪影響を及ぼす可能性があります。正しく実践するためにも、しっかりチェックしておきましょう。

 

1.カロリーが不足しやすい

玄米菜食に限らず菜食では、肉や魚を摂らないためカロリーが不足しやすくなります。肉や魚には、脂質も含まれているので自然と脂質の摂取機会が減ります。カロリーを含む三大栄養素は炭水化物、たんぱく質、脂質で、それぞれ1gあたり4kcal、4kcal、9kcaを含みます。脂質は最もカロリーが摂りやすい栄養素なので、脂質の摂取量が減ると摂取カロリーが少なくなりやすくなります。

 

2.タンパク質が不足しやすい

カロリーと同様にたんぱく質も不足しやすくなります。たんぱく質を多く含む食品は以下の通りです。

たんぱく質を多く含む食品

第2回「たんぱく質」って、何だろう?|株式会社明治

https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/know/know_milk/02/num01_02.html

 ベジタリアン食では大豆・大豆製品、乳製品、ヴィーガン食では大豆・大豆製品からしかたんぱく質を摂取できないので、たんぱく質が不足しやすくなってしまいます。

 

3.消化不良を起こす可能性

玄米菜食では穀類や野菜を中心とした食事となるため、食物繊維の摂取量が多くなります。食物繊維は腸内環境の改善などの健康面へのメリットも多いですが、消化不良による便秘などの可能性もあります。しっかりとよく噛み、水分をこまめに摂る必要があります。

 

玄米菜食の効果的なやり方とは

上記では、玄米菜食のメリットに加えて、注意点についても解説しました。あらゆる効能を期待できる玄米菜食ですが、どうすれば効果的に摂取できるのでしょうか。効果的な玄米菜食のやり方としては、以下の2点が挙げられ、またどの菜食であるかによっておすすめのたえべ方やレシピもあります。

  1. 主食を玄米にする
  2. たんぱく質や脂質を植物性で摂る 

まずは2点を主軸として取り入れることを念頭に置き、ご自身に合った菜食のやり方に合わせてレシピなども参考にしてみてください。

 

1.主食を玄米にする

まずは主食を玄米にすることが玄米菜食では重要です。白米や麺類などの精製された炭水化物食品は避けましょう。玄米以外にも全粒粉からできているパンや麺類などの、未精製の食品も使用することができます。

 

2.たんぱく質や脂質を植物性で摂る

玄米菜食では、動物性の食品を避けるためたんぱく質や脂質が不足しやすくなります。そのため、たんぱく質は豆腐や納豆などの植物性の食品でしっかりと摂りましょう。また、脂質はオリーブオイルやえごま油などの良質な油を使用することをおすすめします。各菜食の種類に合わせたレシピの例を紹介します。

 

ヴィーガン食の場合

【玄米粉のクリームシチュー】

  • 玉ねぎ 中1個
  • 人参 小1本
  • 小松菜 2株
  • にんにく 1片
  • オリーブオイル 少々
  • 豆乳 200ml
  • 玄米粉 50ml
  • 水 100cc
  • 白味噌 大さじ1
  • 塩 小さじ1
  • こしょう 少々
  1. 玉ねぎ、にんにくをみじん切りにする。小松菜は3cmに切る。
  2. 鍋ににんにくとオリーブオイルを入れて弱火にかける。香りがでてきたら玉ねぎを入れて中火でよく炒める。
  3. 人参を加えて炒めたら水を3カップいれて軟らかくなるまで煮る。豆乳と白味噌、水で溶いた玄米粉を入れ、よく混ぜながらとろりとするまで煮る。
  4. 塩と胡椒を入れて味をつける。小松菜を加えてひと煮立ちしたら火を止めて器に盛る。 

参照レシピ:https://recipe.biokura.jp/?post_type=recipe_post&p=53600

 

ロー・ヴィーガン食の場合

【デリ風野菜具だくさん玄米サラダ】

  • (A)玄米 1/2カップ
  • (A)水 1/2カップ
  • (A)氷 6粒
  • (B)レモン汁 1/2個
  • (B)非加熱はちみつ 小さじ1
  • (B)塩 小さじ1
  • (B)あらびきこしょう 少々
  • 人参 1/2本
  • ズッキーニ 1/2本
  • 赤パプリカ 1/2個
  • セロリ 1本
  • 赤玉ねぎ 1/2個
  1. (A)の材料を入れて玄米を炊飯器で1時間半炊く。
  2. (B)を混ぜてドレッシングを作る。
  3. 野菜を食べやすいサイズに切る。
  4. 弦間が炊きあがったら熱いうちにドレッシングを混ぜる。
  5. 4に野菜を混ぜたら完成。

参考レシピ:https://macrobiotic-daisuki.jp/recipe/ny-deri-sarada-209513.html

 

ベジタリアン食の場合

【味噌とすりごまのベジタリアン玄米焼き飯】

  • 玄米 お茶碗2杯 
  • 玉ねぎ 半分
  • にんじん 3cm
  • しいたけ 2枚
  • クレソン 10 房位
  • 水切り豆腐or油揚げor厚揚げ 1/3丁
  • 味噌 大さじ2
  • みりん 大さじ2
  • 黒すりごま 大さじ4
  • 植物油 適量
  • 塩コショウ 適量
  1. 野菜類は粗いみじん切りにする(クレソンは茎も使う)。味噌にみりんを加えて溶かす。
  2. フライパンに油をひき、玉ねぎをよく炒め、にんじん、しいたけ、クレソンの順に加える。
  3. 暖かいごはんを入れる。
  4. 豆腐を加えて1の味噌をいれてまんべんなく炒める。塩コショウで味をつける。
  5. 香ばしい香りがしてきたらゴマを加えて完成。

 

健康的に玄米菜食を続ける上でのポイント

玄米食

最後に、玄米菜食を健康的に続ける上でのポイントを確認しておきましょう。継続して続ける上では、以下の3点を確認しましょう。

  1. 必要カロリーとたんぱく質量が摂れているか確認する
  2. 定期的に体重を測る
  3. 体調不良を感じた場合はやめる

 それぞれの詳細について確認しましょう。

 

1.必要カロリーとたんぱく質量が摂れているか確認する

まずは、1日に必要なカロリーとたんぱく質が摂れているかを確認する必要があります。そのためには必要なカロリーと脂質の量を計算してみましょう。標準的には体重kg × 30kcalが1日に必要なカロリー量、体重kg × 1.0g が1日に必要なたんぱく質です。必要量を確認したら、ざっくりでいいので普段の食事のカロリーも計算してみましょう。細かく栄養計算をする必要はありませんが、だいたいでいいので把握しておくと体重の管理に役立ちます。

 

2.定期的に体重を測る

必要な栄養が摂れているかを確認するためには体重を定期的に測り、増減の推移をみることがもっとも簡単です。不足している場合は体重が減りますし、多い場合は増えます。体重の推移に合わせて摂取量を調整するとよいでしょう。

 

3.体調不良を感じた場合はやめる

玄米菜食では消化不良などにより体調不良が起こる可能性があります。一時的であったり、人によっては合わない場合もあるので、体調不良を感じた場合はやめておきましょう。雑炊やお粥など、軟らかく調理したり、よく噛んで食べることも有効です。

 

まとめ

雑穀米

こちらの記事では、玄米菜食についてメリットと方法について解説しました。腸内環境の改善やダイエットなど、健康面へのメリットが多い玄米菜食。必要な栄養が摂れているかを定期的に確認しながら、玄米菜食を始めてみてはいかがでしょうか?

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