玄米を食べ続けるメリットとは?デメリット解消のポイントも併せて解説

玄米

玄米は、人間が健康を保つために必要とされている栄養素の大部分が摂取できることから、「完全栄養食」とも呼ばれている優秀な食品です。そして、その栄養素が持つ効果や働きは、身体にとって多くのメリットとなります。

本記事では、玄米食のメリットについて、白米と比較しながら解説します。また、反対に玄米のデメリットについても詳しく解説し、デメリット解消のポイントも併せてご紹介します。

 

玄米には健康維持や美容において様々なメリットがある

玄米

玄米には、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。そしてそれらの栄養素によって、便秘の改善や太りにくい身体づくり、免疫力の向上や美容など、様々な効果が期待できます。そして、このことが玄米が「完全栄養食」とも呼ばれる理由です。

では、同じお米である「白米」とはどんな違いがあるのか、疑問に思うでしょう。玄米の定義からおさらいし、白米との具体的な違いについて確認していきましょう。

 

そもそも玄米ってどんなお米?

玄米とは、精米されていないお米のことで、茶色い見た目をしています。食感が硬く、炊くときに長時間の浸水が必要というデメリットがあるため、原因となるぬかや胚芽を取り除くことで、精白米という馴染みの深い白いお米が作られるようになりました。

しかし、実はこの精米されるときに取り除かれる部分に、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれているのです。そんなことから、白米よりも玄米の方が栄養価が高いということが注目されるようになり、健康や美容、ダイエットのために玄米食を取り入れる人が増えてきています。

 

玄米と白米のカロリーと栄養価を比較

栄養素

では、具体的に玄米と白米では栄養価にどのくらいの差があるのでしょうか。カロリー、糖質、主な栄養素について比較してみましょう。

 

「カロリー」はほとんど同じ

炊飯前の可食部100gあたりのカロリーを比較すると、玄米は346kcal、白米は342kcalとなり、ほとんど数値に変わりはありません。玄米は、特別カロリーが低いというわけではないことがわかります。

 

「糖質量」は白米が多い

同じく炊飯前の可食部100gあたりの糖質量を比較すると、玄米は71.3g、白米は77.1gです。糖質量は玄米の方が少ないですが、大きな違いがあるわけではありません。

 

「栄養価」は玄米が高い

玄米が優秀な食品といわれる理由は、カロリーや糖質量ではなく、高い栄養価です。表からもわかるように、ビタミンB1、ビタミンB6、鉄分、マグネシウム、食物繊維において、玄米は白米の数倍豊富に含まれています。これらの栄養素は、どれも人体に必要不可欠な栄養素であり、それぞれが重要な役割を持ちます。

 

玄米に含まれる栄養素と効能

玄米

では、次に玄米に豊富に含まれているこれらの栄養素について、その働きや効能について解説します。玄米食を続けることでどのような効能が期待できるのか、それぞれ確認していきましょう。

 

食物繊維で腸内環境の改善

食物繊維は「水溶性」と「不溶性」の2種類に分けられます。水溶性食物繊維は、食後の血糖値の上昇を緩やかにしたり、コレステロール値を低下させたりする効果が期待できます。不溶性食物繊維は、水分を吸着して便のかさを増やし、排便を促すことで腸内環境を整える効果が期待できます。

 

ビタミンB1で糖質の代謝を助ける

ビタミンB1は、糖質を分解しエネルギーへと変換されるときに必要な栄養素です。炭水化物や甘いもの、お酒をよく摂る人や、運動によるエネルギー代謝が多い人は、より多くのビタミンB1が必要になります。また、普段インスタント食品を多く食べているという人も、ビタミンB1の消費量が多くなるため、積極的に摂取したい栄養素です。

ビタミンB1が 不足すると、十分なエネルギーが作られず、疲労感やだるさ、脳や神経への障害が起こる可能性があります。

 

ビタミンB6でアミノ酸の働きをサポート

ビタミンB6は、体内でアミノ酸の働きをサポートし、たんぱく質の分解を助ける働きがあります。そのため、たんぱく質を多く摂取する人は、特に意識的に摂取したい栄養素です。

他にも、正常な免疫機能の維持、皮膚の抵抗力の増進、ヘモグロビンの合成など、身体の様々な働きを助けます。不足すると、口角炎や貧血、免疫力の低下などの症状が現れます。

 

マグネシウムで歯や骨の形成をサポート

マグネシウムは、カルシウムやリンとともに歯や骨を形成するミネラルの一種です。他にも、身体の中で様々な代謝に関与しています。

血中のマグネシウム量が不足すると、骨からマグネシウムを取り出して一定の量に保とうとします。すると骨の強度を保つために働くマグネシウム量が不足してしまい、骨粗鬆症などを招きます。

他にも、慢性的に不足することで心疾患、高血圧などを引き起こすだけでなく、精神障害の症状が現れることもあります。

 

鉄分で貧血の予防

鉄分は、赤血球のヘモグロビンに多く存在する、人体に必要なミネラルの一種です。鉄分が不足すると、赤血球中のヘモグロビンが減るため、ヘモグロビンの役割である酸素の供給が十分にできなくなります。これを鉄欠乏貧血といい、集中力の低下や疲労感などの症状が現れます。

成長期の子どもや月経のある女性、妊娠中や授乳期の女性は特に不足しやすいため、より積極的に摂りたい栄養素の一つです。

 

玄米食のメリットとは?

腹部

以上のように、玄米にはたくさんの栄養素が豊富に含まれています。そして、白米と同じように食べるだけで、その栄養素を手軽に摂取できるというのが、玄米食の最大のメリットになります。

では、玄米食を続けていくことで、身体にとっては具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。主な項目についてみていきましょう。

 

1.便秘の予防や解消

玄米には特に不溶性食物繊維が豊富なので、便のかさが増えて大腸が刺激されることにより、排便を促してくれます。スムーズな排便は、代謝を正常に保ち余分な脂肪が身体につくのを防いでくれる他、有害物質が全身に巡ることなく全ての身体の機能が十分に行える状態になります。

このことは、健康維持や美容、ダイエットにおいてもとても大切である「不溶性食物繊維」が豊富な玄米のメリットといえます。

 

2.ダイエットに適している

玄米食は、ダイエットにも適した食品です。ビタミンB1によって、糖質の代謝が十分に行われるようになると、身体に脂肪としてつくことなくエネルギーへと変換されます。効率良く糖質を分解することができるため、太りにくくなります。

さらに、白米と比較したときの玄米の特長ともいえるのが、「食後の血糖値の上昇度合いが低い」ことです。血糖値は、急上昇するほどインスリンというホルモンが分泌されますが、このインスリンには糖質が中性脂肪へと合成されやすくする働きがあります。

つまり、血糖値の急上昇をいかに予防するかという点がダイエットにおいてとても重要になります。玄米は、白米に比べてこの血糖値の上昇度合いがかなり低いことがわかっています。そのため、白米を食べるよりも太りにくいということになります。

 

3.免疫力が上がる

さらに、腸内環境を整えることは、免疫力アップにつながるということもわかっています。腸には、免疫に関わる細胞の6割以上が存在し、体内に侵入した細菌やウイルスから身体を守る重要な役割を持ちます。

つまり、腸の健康を保つことが免疫力アップのカギとなり、腸内環境を整える効果を持つ食物繊維を豊富に含む玄米は、免疫力アップのためにも効果的な食品だといえます。

また、他にも玄米に多く含まれるビタミン類やミネラルも、それぞれ代謝や皮膚の粘膜の健康維持などに役立ちます。

 

4.美肌効果が期待できる

便が腸内に長く留まると、有害物質が発生し血液中を巡り全身にいきわたります。するとニキビや吹き出物ができやすくなったり、代謝が落ちることで肌のターンオーバーが乱れたりするなど、美容においても悪影響となります。

玄米食によって腸内環境の改善が期待できることは、美肌を目指す上でも大きなメリットとなります。

 

玄米食のデメリットとは?

注意

栄養価が高いことで身体にとって様々なメリットがある一方、玄米にはデメリットもあります。メリットのみに目を向けるのではなく、デメリットについてもきちんと理解し、向き合うことが大切です。

 

1.消化があまり良くない

玄米は精製度合いが低いので、消化吸収の良さは白米のようには優れていません。良く噛んで食べなければ、消化不良を起こしてしまう場合があります。噛み応えがあることで満腹中枢を刺激しやすいという玄米のメリットを生かすためにも、よく噛んで食べることを意識しましょう。

 

2.白米よりも浸水時間が長く必要

玄米は白米とはお米の状態が異なるため、中心部まで十分に吸水させるためにより長い時間の浸水が必要です。なるべく柔らかい食感に仕上げることで、より食べやすく、消化吸収しやすい状態に炊き上げることができます。

夏は8時間以上、冬は12時間以上が理想の浸水時間の目安です。少しの浸水時間で炊くことができる白米と比べると、食べるまでに時間や手間がかかることが玄米のデメリットといえます。

 

3.風味や食感に抵抗がある人も

玄米には、噛み応えのある食感と独特な風味があります。これは白米にはないぬかや胚芽によるもので、抵抗を感じる方もいるでしょう。その場合、白米と同じように食べるのではなく、食べ方に工夫をすることで抵抗を感じにくくなります。

 

4.農薬が残りやすい

お米のぬかや胚芽には農薬が残りやすいことから、精製されている白米よりも残留農薬について懸念されます。野菜や果物のように、農薬が表面についている場合は水で洗い流すことである程度落とすことができますが、玄米はぬかや胚芽の中に入り込んでいるため、簡単には落とし切ることはできません。

農薬の量は基準値以下であるため、食べたとしても安全性に問題はありませんが、食べない方が良いというのはいうまでもありません。
玄米を選ぶときは、有機JASマークがついていて、かつ農薬を使用していないことを確認することで、残留農薬の心配を解消することができます。

 

5.栄養素の吸収を阻害する可能性がある

玄米に含まれるフィチン酸という栄養成分には、抗ガン作用が期待できる一方で、カルシウムやリンなどの吸収を阻害するという点もあります。そのため、玄米を食べるときには、カルシウムやリンなどが豊富な海藻類、野菜類などを積極的に摂取するようにしましょう。

 

玄米初心者におすすめの食べ方

玄米食

玄米のデメリットをなるべく解消し、初心者でも挑戦しやすくなるおすすめの食べ方をご紹介します。美味しく食べやすく炊飯するコツや、徐々に慣れていくためのポイントについて、ぜひ参考にしてみてください。

 

浸水をしっかりと行う

前述の通り、玄米は浸水をしっかりと行うことで、特有の硬い食感をなるべく柔らかく仕上げることができます。白米との食感の違いに抵抗を感じる場合は、浸水時間を十分に取ることを忘れないようにしましょう。

 

分つき米からはじめてみる

玄米をはじめて食べる場合は、分つき米から食べてみるのがおすすめです。分つき米とは、玄米からぬかや胚芽を段階的に取り除いたお米のことです。3分、5分、7分と種類があり、数字が大きくなるほど玄米に近いということになります。

 

まずは週に2回・週末のみ食べることからはじめる

いきなり玄米食をはじめるのではなく、まずは週に2回や週末のみなど、徐々に試していくのもおすすめの食べ方です。そうすることで、白米との違いに抵抗を感じにくくなり、身体も徐々に慣らしていくことができます。

 

玄米のデメリットを解消するおすすめの食べ方

玄米

玄米には、いくつかのデメリットがあることについて解説しました。では、なるべくそのデメリットを解消するためのおすすめの食べ方をご紹介します。

 

パサパサ感が気になる場合はカレーやチャーハンに

玄米のパサパサとした硬い食感が苦手な場合は、カレーやチャーハンにして食べることで感じにくくすることができます。また、カレーやチャーハンとして食べることで、玄米のみに偏ることなくいろいろな具材を一緒に摂ることができるため、1皿で栄養バランスが整いやすい点においてもおすすめの食べ方です。

 

消化を良くするには玄米粥や雑炊に

玄米のデメリットである消化吸収しにくい点を解消するには、玄米粥や雑炊にアレンジして食べる方法もあります。まずは吸水や浸水を十分に行うことが重要ですが、玄米粥や雑炊にすることでさらに水分が含まれるので、柔らかく仕上がり消化吸収率もアップさせることができます。

 

白米との組み合わせで少しずつ慣れていく

前項目でもご紹介したように、いきなり玄米食に変えるのではなく、白米から徐々に移行していくことで、玄米食が自分に合っているかを見極めていくと良いでしょう。身体も少しずつ慣れていくことで、便秘や消化不良を起こしにくくなります。

 

まとめ

玄米

健康維持や美容、ダイエットにおける玄米のメリットについて、詳しく解説しました。これほどのメリットがあるとなると、完全栄養食と呼ばれていることにも納得がいくでしょう。

また、反対にデメリットもあります。体質によっては玄米が合わないという場合もあるので、少しずつ挑戦していくなどの工夫をして、しっかりと見極めていくことが大切です。ご紹介した、デメリット解消のコツやポイントなどもぜひ参考にして、玄米食を楽しんでみてください。

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