玄米ダイエットで得られる効果とは?白米との違いを元に徹底解説

玄米

玄米ダイエット」は、数ある中でも注目されているダイエット方法の1つです。しかし、「同じお米なのに白米とどう違うの?」という疑問を持ったことはありませんか?

本記事では、玄米ダイエットの期待できる効果や注意点などについて管理栄養士が解説します。白米と玄米を比較することで、玄米が健康維持やダイエットに良いと言われる理由がひと目でわかります。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

 

玄米ダイエットとは?

玄米ダイエットとは、日常の食事において「白米を玄米に置き換える」ダイエットです。ある特定の食品だけを食べ続けたり、反対に制限したりする必要がないことがメリットです。

また、炭水化物をしっかり摂ることで食事の満足感も得られるので、ダイエット中もご飯を食べたいという方や、健康を意識したダイエットを長期的に行いたいという方におすすめのダイエットです。

 

白米を玄米に置き換えるだけでOK

前述の通り、白米を玄米に置き換えるだけという、比較的簡単でわかりやすいダイエット方法です。置き換えるタイミングや回数などに決まりはなく、自分のペースで行えるので、続けやすいダイエットの1つです。

 

玄米は「完全栄養食」とも言われている

玄米がなぜダイエットに良いのかというと、それには玄米が「完全栄養食」とも言われていることが関係しています。玄米は、白米よりもビタミン、食物繊維、鉄分、ミネラルなどの健康を保つ上で必要な栄養素が豊富に含まれています。

 

白米と玄米の違い

玄米と白米

そもそも、白米と玄米にはどんな違いがあるのでしょうか。それは、お米の「精製度合い」です。精製する前のお米(稲の実)には、外側にもみ殻があり、その下にぬか、胚乳、胚芽があります。白米は、このうちもみ殻、ぬか、胚芽などを取り除いたもので、そのことを精米と言います。精米することで、消化吸収が良くなり甘みを感じやすくなります。

対して玄米は、精米を行わずに稲の実からもみ殻だけを取り除いたものです。この精米で取り除かれる部分に様々な栄養素が含まれているので、その分白米と玄米には栄養素に差がでるのです。

 

カロリーはほぼ変わらない

カロリー比較

白米と玄米は、カロリーにはほとんど差がありません。しかし、玄米は噛み応えがあり、その分満足感があるため少ない量でも満腹になりやすいという特徴があります。そのことも、玄米がダイエットに向いているという1つの理由です。

 

栄養素量は玄米が豊富

栄養素量の比較

栄養素量を比較すると、白米よりも玄米の方が圧倒的に豊富です。上記の表を見ると、ビタミンB1は5.1倍、ビタミンB6は3.7倍、食物繊維は6倍、鉄分は2.6倍、マグネシウムは4.7倍も多く含まれていることがわかります。これが玄米が「完全栄養食」とも言われている理由で、玄米の最大の魅力です。

 

玄米の方がGI値が低い

GI値

「GI値」という、ある食品を食べた後の血糖値の上昇度合いを示す指標で見ても、玄米の方がダイエットに向いていることがわかります。血糖値は、急上昇するタイミングが多いほど、また上昇したままでいる時間が長いほど糖尿病や肥満などの様々な疾患のリスクが高くなります。

食品におけるGI値は、数値が高いほど血糖値が上昇しやすく、低いほど上昇は緩やかとなります。ダイエットや健康維持において、GI値の数値が低い食品ほど向いているということになります。

また、GI値はその数値から低、中、高の3つに分類されます。白米のGI値は88で高GI食品、対して玄米は55で低GI食品となり、血糖値の観点からも玄米の方がダイエットに向いているといえます。

 

玄米に豊富な栄養素とその効能

玄米に豊富に含まれる栄養素は、どれも人体に必要不可欠です。そのうち特に豊富に含まれる栄養素について、期待できる効能や役割などを解説します。

 

糖の代謝をサポートする「ビタミンB1」

ビタミンB1は、糖を分解してエネルギーに変換する時に手助けをする役割を持ちます。そのため、ビタミンB1が不足した状態が続くと、糖はエネルギーとなれずに、体は疲れやだるさを感じるようになります。また、糖をエネルギー源としている脳や神経にも悪影響が現れます。

ビタミンB1は、甘いものや炭水化物である主食、アルコールを多く摂取する人や、運動によりエネルギー消費が激しい人は特に積極的に摂りたい栄養素です。

 

アミノ酸の働きをサポートする「ビタミンB6」

ビタミンB6は、体内でアミノ酸の働きをサポートしたり、免疫機能を正常に働かせたりする役割を持ち、人体に欠かせないビタミンの1つです。

また他にも、皮膚の抵抗力を高めたり、酸素の運搬係であるヘモグロビンを合成する役割も持つため、不足することで皮膚炎や口内炎、舌炎、貧血、免疫機能の低下などの様々な症状が現れやすくなります。

 

良い腸内環境づくりをサポートする「食物繊維」

食物繊維は、整腸作用を持ち良い腸内環境を作る上で欠かせない栄養素です。他には、糖や脂質、ナトリウムなどを吸着し身体の外へ排出する働きもあります。そのため、食物繊維を積極的に摂取すると、これらを過剰に摂取することで引き起こされる肥満や脂質異常症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防や改善にも効果が期待できます。

また食物繊維には、食後の血糖値の上昇を緩やかにしたり、コレステロール値を低下させたりする効果が期待できる「水溶性」と、水分を吸着することで便の容積を増やし、有害物質を一緒に排出する効果が期待できる「不溶性」の2種類に分けられます。

玄米には、この両方の食物繊維が豊富に含まれているので、良い腸内環境づくりをサポートしてくれます。

 

貧血を予防する「鉄分」

鉄分は、赤血球中のヘモグロビンの構成成分となるため、全身に酸素を運ぶ役割を持ちます。不足すると、鉄欠乏貧血を起こしやすく、集中力の低下や頭痛、食欲不振、疲労感などの症状が現れます。

食品に含まれる鉄分は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2つに分けられます。ヘム鉄は主に動物性の食品に多く含まれ、体内で吸収されやすいのに対し、非ヘム鉄は主に植物性の食品に含まれ、吸収されにくいという特徴があります。

玄米は後者の「非ヘム鉄」になりますが、非ヘム鉄は動物性のたんぱく質やビタミンCと一緒に摂ると効率よく吸収できるようになるという性質があります。そのため、肉や魚、卵、ビタミンCを多く含む野菜や果物などを組み合わせて食べるのがおすすめです。

 

歯や骨を丈夫にする「マグネシウム」

マグネシウムは、カルシウムやリンとともに歯や骨を形成する働きがあります。その他にも、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温や血圧の調整に役立つなど、300種類以上の酵素を活性化する働きも持ちます。

不足すると、歯や骨の形成に悪影響となる他、不整脈や虚血性心疾患、高血圧、筋肉のけいれんや、抑うつ感などが生じることもあります。

 

玄米を食べることで得られるダイエット効果

玄米

玄米に含まれる栄養素にはそれぞれ大切な役割がありますが、同時に玄米にはダイエット効果も期待できます。それぞれの効果について詳しく解説します。

 

便通が良くなり老廃物を排出

食物繊維が特に豊富な玄米は、その分良い腸内環境づくりにも役立ちます。便が腸内に長く留まると、有害物質が発生し血液中をめぐり全身に行き渡るようになります。すると、肌荒れなどの肌トラブルが生じやすくなったり、自律神経のバランスが崩れます。ダイエットの観点からも、お腹がぽっこりとでて見た目に支障が出るほか、胃腸の働きが鈍くなることで代謝機能が低下し、太りやすい体質になってしまいます。

食物繊維が豊富な玄米を長期的に摂取していくことで、これらのような身体への影響が現れにくくなり、体質から改善していくことが期待できます。

 

血糖値の急上昇を防ぐ

血糖値の急上昇が良くない理由は、インスリンというホルモンが関係しています。血糖値を下げようとするために分泌されるインスリンには、糖が中性脂肪へと合成されるのを促す働きがあります。血糖値が急上昇するほどこのインスリンは大量に分泌され、中性脂肪が付きやすい状態へと陥ってしまうのです。

玄米に豊富に含まれている食物繊維には、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるため、この悪循環をなるべく抑えてくれる効果が期待できます。

 

満腹感を感じやすく腹持ちも良い

玄米は噛み応えがあるため、自然と噛む回数が増えます。時間をかけてゆっくりと食べるようになるため、満腹中枢が刺激され少しの量でも満足感を得られやすくなります。

また腹持ちも良いため、間食や食べ過ぎを防いでくれる効果も期待できます。

 

代謝が高まり痩せやすい身体に

玄米には、糖の代謝をサポートするビタミンB1が豊富なため、効率よく糖をエネルギーとして変換することができます。中性脂肪として余分に身体に蓄えられることを防いでくれるので、リバウンドしにくく太りにくい根本的な体質改善にも役立ちます。

 

美容効果も期待できる

便通が良くなることで肌荒れが改善されたり、代謝が良くなることでバランスの良い身体へと変化するなど、美容効果も期待できます。

ダイエットといっても、ただ痩せれば良いというわけではなく、健康的にバランス良く痩せるのが理想です。そういった観点からも、体質から長期的に改善できる玄米ダイエットは、おすすめのダイエットの1つです。

 

効果的な玄米ダイエットのポイント

玄米ダイエットを効果的に行うために、知っておきたいポイントがいくつかあります。成功のための大切なキーとなるため、よく理解し自分に合っているかをよく考えて行うようにしましょう。

 

長期的に取り組むのが基本

玄米は白米と比較してもカロリーにはほとんど差がないことから、即効性にはあまり期待できないダイエット方法です。すぐに体重や見た目を変化させるというよりは、長期的に行うことで体質を改善し、リバウンドしにくい健康的な身体作りを目指すものです。

体重のみにとらわれず、健康面やバランスも重視することが大切ですが、その分数値として結果がでるまでには時間がかかることもあります。長期的に実践し続ける必要があることを理解しなければなりません。

 

慣れないうちは1食から始める

玄米は、今まで白米を食べていた人にとっては多少の食べづらさを感じることがあります。白米に比べて炊きあがるまでに長く時間がかかることや、食感が硬く独特の風味があることが玄米のデメリットでもあります。

玄米を苦手と感じる場合は、まずは1食から置き換えて慣れていくと良いでしょう。また、チャーハンやカレー、雑炊などにして食べると、硬さや風味を感じにくくなり食べやすくなります。色々なアレンジやメニューに挑戦し、自身が食べやすい食べ方を発見してみるのもおすすめです。

 

玄米以外の食品もバランス良く

完全栄養食だからといっても、身体にとって必要な全ての栄養素が十分に含まれているわけではありません。また、カロリーは白米とほぼ変わらないことからも、食べ過ぎはダイエットの効果を損ねます。

あくまでも白米を玄米に置き換えるだけということを頭において、玄米以外にもバランスよく食べるようにしましょう。

1食で栄養バランスが整いやすい定食スタイルや、具だくさんの汁物、野菜が中心の副菜などを意識して組み合わせると、玄米に不足している栄養素を補いやすくバランスが整った食事になります。

 

玄米ダイエットの注意点

注意

玄米ダイエットには、注意するべき点もいくつかあります。自身の体質や性格、求めることなどを明確にした上で、注意点もきちんと理解しておきましょう。

 

玄米で全ての栄養素が摂取できるわけではない

前述の通り、玄米の他にもバランスが整った食事を意識することが大切です。玄米を主食とし、主菜、汁物、副菜などといった献立を基本とし、なるべくたくさんの種類の食品を食べるように意識するようにしましょう。

「玄米を食べているから」と気を抜いて、玄米以外が極端に偏った食事が続いてしまうと、ダイエットの効果は損ねてしまうので注意が必要です。

 

消化不良を起こしてしまうこともある

玄米は精製度合いが低いことで、消化吸収の良さは白米に劣ります。そのため、良く噛まずに食べたり早食いをすると、消化不良を起こしてしまうことがあります。

玄米のメリットは、噛み応えがあり満腹中枢が刺激されやすいことでもあるので、メリットを活かすためにもよく噛んでゆっくりと食べることを意識しましょう。

 

貧血の場合は玄米によって悪化することも

元々貧血がある場合は、玄米が体質に合わず悪化してしまうことがあります。貧血のときは、体内の亜鉛やヘム鉄が少ない状態にあります。玄米に含まれるフィチン酸には、体内の亜鉛や非ヘム鉄、ミネラルなどと結合する性質があり、これらが吸収されにくくなります。

元々貧血がある人や玄米ダイエットが合わない体質だと感じる場合は、行わない方が良いでしょう。

一方、フィチン酸には抗酸化作用があり、がんの予防や尿結石予防、血液をサラサラにする効果などが期待できます。身体にとって良い影響もあるので、玄米を食べるときは亜鉛やヘム鉄が豊富な食品を組み合わせるなど、なるべく悪影響となるリスクを減らす工夫をすると良いかもしれません。

 

量を多く食べ過ぎないようにする

玄米だからと安心して、量を多く食べてしまうこともダイエット失敗の要因となります。カロリーは白米とほぼ変わらないことを忘れず、適正な量を心がけるようにしましょう。白米を玄米に置き換えることで、急に摂取カロリーが減るわけではないことを理解しましょう。

 

まとめ

玄米

玄米ダイエットは、長期的に健康的な身体を目指す人におすすめのダイエット方法です。即効性が期待できる方法ではないことや、消化吸収が白米に劣ることなどをきちんと理解した上で行うことが大切です。

白米を玄米に置き換えるだけという、比較的難易度の低いダイエットで、慣れると体質の根本的改善や美容効果も期待できるおすすめのダイエット方法の1つです。ぜひ、日常の食事に取り入れてみてくださいね。

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